エアバスCEO、中国天津でA320第2ライン稼働 高まる航空需要に対応 video poster
エアバスが中国北部の港湾都市・天津でA320ファミリー機の第2最終組立ラインを稼働させました。新たな五カ年計画の後押しで加速する中国の航空産業に合わせ、生産拡大に踏み切る動きです。
天津で2本目の最終組立ラインが始動
欧州の航空機大手エアバスは、中国北部の港湾都市・天津でA320ファミリー機の第2最終組立ラインを、現地時間の水曜日に正式に稼働させました。
天津にはすでにA320ファミリー機の最終組立ラインがあり、今回の新ライン稼働によって、同都市におけるA320ファミリーの生産能力が一段と拡大することになります。
A320ファミリーは、短・中距離路線を中心に運航されているエアバスの代表的な旅客機シリーズです。各国の航空会社が採用する標準的な機材の一つであり、生産能力の増強は世界の航空会社にとっても関心の高いニュースです。
新たな五カ年計画で加速する中国の航空産業
エアバスのギヨーム・フォーリCEOは、中国国際テレビ(CGTN)のインタビューで、中国の航空産業は新たな五カ年計画の支援のもと、今後も加速し続けるとの見方を示しました。
フォーリCEOは、成長を続ける市場需要に応えるため、中国での生産を増やしていく方針も明らかにしています。今回の天津での第2最終組立ラインの稼働は、その具体的な一歩と言えます。
中国では、経済や産業政策の方向性を示す五カ年計画が国家戦略の柱となっており、最新の計画では航空・宇宙分野やハイテク産業の育成が重視されています。航空需要の拡大と産業の高度化を同時に進める中で、海外メーカーによる現地での生産拡大も、その流れの一部を担う形になっています。
なぜエアバスは中国で生産を増やすのか
フォーリCEOが強調した「市場需要の伸び」は、中国国内の移動需要の増加や都市間ネットワークの拡充など、航空市場の構造変化を背景にしています。航空会社各社は路線の拡大や機材更新を進めており、新造機を安定的に確保できることが重要になっています。
需要が見込まれる市場に近い場所で最終組立を行うことは、航空機メーカーにとって納期の短縮や顧客との連携強化につながります。天津でのさらなる生産体制整備は、中国市場に寄り添った供給体制を作る動きといえます。
また、現地での生産を通じて、技能を持つ人材の育成や部品供給網の整備といった効果も期待されます。航空機産業は裾野の広い産業であり、一つの組立ラインの増設が、地域経済や関連産業にも波及する可能性があります。
アジアの空の風景はどう変わるのか
今回のエアバスの決定は、日本を含むアジアの航空市場にも影響を与えそうです。アジアでは、格安航空会社(LCC)を含め、多くの航空会社が幹線だけでなく地方路線や国際線を拡充しており、A320ファミリーのような単通路機への需要は高い状態が続いています。
中国での組立能力が高まれば、エアバス機の供給余力が増し、アジアの航空会社にとっては機材調達の選択肢や納入タイミングの幅が広がる可能性があります。一方で、安全性、燃費性能、運航コストといった要素をどう比較し、自社に最適な機体構成を選ぶかという「戦略」の重要性は、これまで以上に増していくでしょう。
生産拡大の先にある課題と問い
世界的に航空需要が伸びる一方で、二酸化炭素(CO2)排出の削減や燃費性能の向上は大きな課題になっています。エアバスを含む航空機メーカー各社は、新型機の開発や持続可能な航空燃料の活用などに取り組んでいますが、生産拡大と環境負荷低減の両立は簡単ではありません。
天津での第2最終組立ライン稼働は、中国の航空市場が依然として世界の成長エンジンの一つであることを示す出来事です。同時に、私たちが今後どのように空の移動を利用し、そのコストと恩恵、そして環境への影響をどう分かち合っていくのかという、より広い問いも投げかけています。
通勤時間やスキマ時間に飛び交う国際ニュースの一つとして、天津の新ライン稼働をどう捉えるか。アジアの空の将来像を考える上で、注視しておきたい動きです。
Reference(s):
cgtn.com








