米国政府閉鎖が3週目に突入 無給の航空安全要員6万人に広がる負担
アメリカの連邦政府閉鎖が3週目に入り、航空安全を担う約6万人が無給のまま働き続けています。世界経済と国際移動に直結する「空のインフラ」が、静かに揺らいでいます。
3週目に入った米連邦政府閉鎖と38兆ドルの債務
2025年12月上旬現在、アメリカの連邦政府機関の閉鎖は3週目に入り、影響が社会のすみずみに広がっています。米財務省によると、10月21日時点で連邦政府の累積債務は初めて38兆ドルを超えました。
政府閉鎖は、連邦予算をめぐる対立などで必要な歳出法案が成立せず、多くの省庁で業務の一部が止まる状態を指します。ただし、安全保障や航空管制など「不可欠」とされる業務は継続され、職員は無給のまま勤務を続けることになります。
無給で働く航空安全要員6万人の現実
ロイター通信によると、アメリカの空の安全を支える約6万人の航空安全要員が、政府閉鎖の影響で給与を受け取れていません。彼らは、空港の安全検査、航空機の整備監督、航空管制など、日々の航空運航に欠かせない業務を担っています。
しかし今、その生活は大きな経済的プレッシャーに晒されています。多くの職員が、次のような手段で家計を支えざるを得ない状況だとされています。
- 貯金を取り崩して日々の生活費をまかなう
- クレジットカードで食費や家賃を立て替える
- UberやDoorDashなどの配車・配達サービスで副業をする
必要不可欠な公共サービスを支える人々が、勤務後や休日に別の仕事に向かわざるを得ない現状は、制度のひずみを象徴する出来事ともいえます。
労組と空港が食料支援 2019年の記憶がよみがえる
影響は個々の職員の生活にとどまりません。労働組合や空港当局は、食料寄付の受付や配布を始め、弁当などの支援策も検討しています。公共インフラの現場で「食料支援」が必要になるという事態は、政府閉鎖の深刻さを物語ります。
この状況は、2019年の政府閉鎖時を思い起こさせます。当時は、給与が支払われないことへの不満や生活不安から職員の欠勤率が高まり、空港業務に支障が出ました。その結果、航空便の遅延や運航の混乱が相次ぎ、議会への政治的圧力が一気に高まったとされています。
今回も同様に、空のインフラが混乱すれば、社会の不満や政治的なプレッシャーが一気に噴き出す可能性があります。
「空の安全」はどこまで守られるのか
報道によれば、これらの航空安全要員は給与が支払われていないにもかかわらず、アメリカの空域の安全を守るために業務を続けています。しかし、経済的な負担が長引けば、精神的な疲弊や離職、欠勤の増加につながる懸念があります。
高度な集中力を求められる現場で、家賃や教育費の支払いを気にかけながら働き続けることは、大きなストレスとなります。こうした見えにくい負荷が積み重なれば、結果として安全性へのリスクとなり得ます。
日本の読者が押さえておきたい3つのポイント
今回のアメリカ連邦政府閉鎖は、日本にとっても無関係ではありません。国際ニュースとして、次の3点を押さえておくと状況が整理しやすくなります。
- 政府閉鎖は3週目に突入:短期の一時的な混乱ではなく、影響が長期化しつつある段階に入っています。
- 航空インフラへの影響:約6万人の航空安全要員が無給で働いており、空の安全と国際航空網にとって看過できない要因です。
- 2019年の前例:前回の政府閉鎖では、空港業務の混乱が政治的な打開を促す要因になりました。今回も同様の圧力が生じる可能性があります。
政府閉鎖そのものはアメリカ国内の政治過程の問題ですが、世界最大の経済と航空市場を抱える国で起きているだけに、国際経済や金融市場、ビジネス渡航などへの波及が注目されます。
「見えないところ」で起きていることに目を向ける
ニュースでは、議会や政権の駆け引きがクローズアップされがちです。しかし、その裏側では、給与の振り込みが止まった瞬間から生活の不安に直面する人々がいます。今回の政府閉鎖は、社会を支える「不可欠な仕事」を誰が、どのような条件で担っているのかを改めて問いかけています。
日本にいても、空港の混雑や国際線の運航状況、為替や金融市場の動きなどを通じて、この問題の余波を感じる場面が出てくるかもしれません。表に見えるニュースだけでなく、その背後で働く人たちの状況にも目を向けておきたいところです。
Reference(s):
US government shutdown enters third week, impacting millions
cgtn.com







