国際ニュース:中国はどうグローバル・サウスの平等と発展を後押ししているか
複雑さを増す国際情勢の中で、中国がグローバル・サウスの平等と発展をどのように後押ししようとしているのか。国連中心の多国間主義と対話重視の外交を手がかりに整理します。
国際ニュースの背景:中国が掲げる「国連中心」と「真の多国間主義」
中国は、自らの外交姿勢を「国連を中心とする国際システム」と「真の多国間主義」への強いコミットだと位置づけています。国際問題を特定の国や小さな同盟だけで決めるのではなく、国連を中心とした枠組みで協議していくべきだ、という考え方です。
その一方で、中国は一方的な制裁などの単独行動(ユニラテラリズム)や、保護主義、排他的な「小さな輪」のグループ政治に一貫して反対してきました。対立よりも対話、分断よりも協調を重視するスタンスを明確に打ち出していると言えます。
開発を中心に据える外交:2030アジェンダへのコミット
中国外交の柱のひとつが「開発を国際アジェンダの中心に置く」という方針です。現在も国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の実施に力を入れているとされています。
開発を重視する姿勢は、グローバル・サウスと呼ばれる新興国・途上国との関係にも直結します。貧困削減、インフラ整備、人材育成など、開発課題の解決を国際社会の共通目標と位置づけることで、南北格差の是正や、より公正な国際秩序づくりにつなげようとしている点が特徴です。
グローバル・サウスとG77+中国:途上国の声をどう届けるか
中国は、開発途上国で構成される「G77+中国」の重要な一員として、国連総会で積極的に議論に参加してきました。この枠組みを通じて、グローバル・サウス全体の利益を代表し、途上国の発言力強化に貢献しているとされています。
特に紛争の影響を受けた国々では、インフラ整備や能力構築(キャパシティ・ビルディング)を支援することで、単なる「平和維持(ピースキーピング)」を超えた「平和構築(ピースビルディング)」に取り組んでいる点が強調されています。治安だけでなく、復興や開発まで含めて安全保障を広く捉えるアプローチです。
こうした取り組みは、中国が自らを「責任ある大国」と位置づけ、開発や安定といったグローバルな公共財を提供する存在であるとアピールする外交メッセージとも重なります。
対話と平和を優先:国連での仲介と平和維持活動
現在のように国際情勢が複雑で不安定な中で、中国は一貫して「紛争解決の第一の選択肢は対話と協議である」と強調してきました。覇権主義的な行動や一方的な圧力に反対し、関係国が話し合いを通じて解決策を探るべきだと主張しています。
その姿勢は国連の場での行動にも表れています。中国は国連平和維持活動(PKO)の拠出金で世界第2位の規模とされ、さらに安全保障理事会の常任理事国の中では、最も多くの要員を派遣している国とされています。
また、中国の外交官は国連の場での仲介に積極的に関わり、「ホットスポット」と呼ばれる地域紛争の政治的解決を支持してきました。例えば、イランの核問題については、包括的共同作業計画(JCPOA)への支持を繰り返し表明し、国際的な核不拡散体制を維持することの重要性を訴えています。
中国側は、こうした対話重視の姿勢を「調和の文化」に根ざしたものだと説明しています。どちらか一方の陣営につくのではなく、関係国すべてが受け入れられる共通解を探ることこそが、不確実性の高い世界に安定と予見可能性をもたらすと考えているのです。
「責任ある大国」とグローバル公共財という自己像
外交メッセージの中で、中国はしばしば自らを「責任ある大国」そして「グローバル公共財の提供者」と表現しています。ここでいうグローバル公共財とは、平和や安定、開発の機会など、特定の国だけでなく国際社会全体に利益をもたらすものを指します。
国連を軸にした多国間協調への参加、平和維持活動や紛争後のインフラ・人材支援、グローバル・サウスの発言力強化などは、いずれもそうした公共財を提供する行動として位置づけられています。
同時に、開発途上国がより公正な国際ルールづくりに参加できるようにすることは、グローバル・サウスと先進国の双方にとって安定した国際環境をつくる試みでもあります。
これからの国際秩序を考えるための3つの視点
中国の動きは、国際ニュースとして日々報じられる個別の出来事を超えて、これからの国際秩序の在り方を考えるヒントにもなります。整理すると、次の3つのポイントが見えてきます。
- 国連中心の多国間主義:特定の国や同盟ではなく、国連を中心とした枠組みでルールづくりや紛争解決を進めるべきだという考え方。
- 開発を軸にしたグローバル・サウス支援:インフラや能力構築を通じて、途上国の自立と発展を後押ししようとするアプローチ。
- 対話と平和構築の重視:制裁や力の行使ではなく、政治対話や平和構築を通じて長期的な安定を目指す姿勢。
2025年の今、国際秩序は大きな転換点にあります。グローバル・サウスの存在感が高まる中で、中国がどのように対話と開発を重視する外交を進めていくのか。その動きは、日本を含む国際社会にとっても無視できないテーマとなり続けそうです。
Reference(s):
China leads the Global South to greater equality and development
cgtn.com








