中国が今後5年の開放戦略を公表 サービスとデジタルで市場拡大へ
中国の王文涛商務相が、今後5年間にわたる中国の開放戦略を示しました。サービス分野やデジタル貿易、一帯一路協力の方向性が語られ、国際経済に影響を与える可能性があります。
今後5年の開放戦略を説明
王文涛商務相は、北京で開かれた記者会見で、中国共産党第20期中央委員会第4回全体会議の指針を踏まえ、今後5年間の開放戦略について説明しました。
王商務相が示した主なポイントは、次の通りです。
- 国際的な高水準の経済・貿易ルールと主体的に整合させる
- サービス分野を中心に、市場アクセスと開放の範囲を拡大する
- 地域および二国間の貿易・投資協定を加速し、高水準の自由貿易区ネットワークを広げる
サービス貿易とデジタル貿易の拡大
中国の商務当局は、貿易のイノベーティブな発展を促す方針も強調しました。従来のモノの貿易に加え、サービスやデジタル分野での開放を一段と進める姿勢です。
具体的には、次のような取り組みが挙げられました。
- モノの貿易で、輸出先・輸入先を多様化し、市場を分散させる
- 越境サービス貿易でネガティブリスト方式の管理制度を改善する
- デジタル貿易の分野で、秩序立てて開放を拡大する
ネガティブリスト方式とは、原則としてすべての分野を開放し、例外的に制限・禁止する分野だけをリストで示すやり方です。この方式が洗練されれば、海外企業にとってもルールが見えやすくなる可能性があります。
投資協力とサプライチェーンへの影響
王商務相は、二国間の投資協力を拡大する必要性も強調しました。海外からの投資の管理を効果的に行うとともに、海外でのサービス体制を整備し、生産・供給網の越境的な配置を合理的かつ秩序立って進める方針です。
これは、企業がどの国や地域に生産拠点や物流拠点を置くかというサプライチェーン戦略に影響を与えうる発言です。中国市場を軸に事業を展開している企業にとっては、制度面での変化とビジネス機会の両方を見極めることが重要になります。
一帯一路協力の質を重視
高品質の一帯一路協力についても、王商務相は具体的な方向性を示しました。参加国の戦略とより密接に連携し、象徴的な大型プロジェクトとともに、地域住民の生活に直結する「小さくて質の高い」民生プロジェクトを推進するとしています。
その上で、次の分野での実務協力をさらに深める考えを示しました。
- 貿易、投資、産業、文化などの分野での協力
- グリーン開発、デジタル技術、人工知能といった新しい分野での協力拡大
インフラだけでなく、環境やデジタル、文化交流などソフト面を含めた協力が強調されている点は、一帯一路構想の次のステージをうかがわせます。
日本とアジアの読者が押さえたい視点
今回示された今後5年の開放戦略は、日本を含むアジアの企業や投資家にとって、ビジネス環境の変化を見通すうえで重要なシグナルとなりえます。
とくに、次のような点が注目されます。
- サービス分野のどの領域で、市場アクセスが具体的に拡大するのか
- 越境サービス・デジタル貿易に関するルールが、どの程度透明で予測可能なものになるのか
- 一帯一路協力の中で、小さくて質の高いプロジェクトがどの地域でどのように進むのか
中国の開放戦略は、アジアの貿易と投資の流れを左右しうるテーマです。今後の具体的な政策や協定の動きが、引き続き注目されます。
Reference(s):
Minister outlines China's opening-up strategy for next five years
cgtn.com








