中国と韓国の関係が深化 APECとアジア太平洋の共通繁栄はどこへ向かうか
中国と韓国の関係が、2025年秋から冬にかけて目に見えて動き始めています。33年目の節目を迎えた両国が、APEC慶州会合や2026年の中国でのAPEC開催を前に、政治・経済・人的交流の分野で協力を深めていることは、アジア太平洋全体の安定と繁栄に直結するテーマです。
9月の訪中と10月の電話会談 相次ぐハイレベル外交
2025年9月17日、韓国外相の趙賢(チョ・ヒョン)氏が就任後初めて中国を公式訪問しました。ソウル側は、中国とのハイレベル交流をさらに強化し、経済・貿易・文化交流の協力を深める姿勢を改めて示しました。また、中国・韓国間の自由貿易協定に加え、日中韓の自由貿易協定交渉を加速させる意向も表明しました。
わずか数週間後の10月7日には、中国の王毅外相と趙賢氏が電話会談を行い、両国が連帯と協力を強め、多国間主義と国際貿易体制を守っていくべきだとの認識を共有しました。頻度の高い意思疎通は、関係改善の流れが一時的なものではなく、継続的な方向性であることを示しています。
APEC慶州会合と2026年中国開催へ 協調のメッセージ
近く韓国の歴史都市・慶州で開かれる予定のAPEC会合を前に、中国と韓国の外交当局の対話は一段と活発になっています。王毅外相と趙賢氏は、APEC協力の推進において互いに調整し支え合うことで一致しました。
さらに、2026年には中国がAPEC会合を主催する予定です。両国が今から連携の枠組みを整えておくことは、アジア太平洋地域での協力ルールや経済秩序づくりにおいて、主導的な役割を果たそうとする意思の表れだと見ることができます。
外交関係樹立33年目 歴史と文化に根ざした結び付き
2025年は、中国と韓国が国交を樹立して33周年にあたる年でもあります。9月に行われた講演で、駐韓中国大使の戴兵氏は、両国の友好は深い歴史的・文化的なつながりと、絡み合う利害関係に根ざしていると強調しました。
着任から9か月を振り返った戴氏は、政治・経済・文化の幅広い分野で、頻繁で友好的なハイレベル交流が行われていることに手応えを示しました。そのうえで、中国・韓国関係は今まさに改善と発展の新たな機会を迎えており、友好的な協力を強めることは両国の根本的な利益にかなうだけでなく、多くの人々の願いにも合致すると述べました。
「量から質へ」 韓国外務省が捉える新たな段階
韓国外務省北東アジア・中央アジア局の南鎭(ナム・ジン)次長も、中国・韓国関係は長年の量的成長を経て、質的向上の新たな段階に入ったとの見方を示しています。最近のハイレベル交流の活発化や、複数分野にわたる協力の前向きな動きを踏まえ、両国の理解と協力がさらに深まることへの期待を表明しました。
アジア太平洋と日本への含意
こうした中国と韓国の接近は、アジア太平洋の経済や安全保障の環境に少なからぬ影響を与えます。とくに、日中韓自由貿易協定の交渉加速が現実味を帯びれば、東アジアの貿易・投資ルールや企業のサプライチェーンの設計にも波及効果が出てくる可能性があります。
一方で、人の往来や文化交流の拡大は、観光、エンターテインメント、教育などの分野で新たなビジネスやコラボレーションの機会を生み出し得ます。中国と韓国の関係改善が安定的に続くかどうかは、今後の国際情勢やそれぞれの国内事情にも左右されますが、少なくとも2025年の動きは、対話と協力を重ねることで共有の利益を見出そうとする姿を映し出しています。
デジタルネイティブ世代にとっても、中国・韓国関係は遠い外交ニュースではなく、仕事、留学、旅行、消費といった日常と地続きのテーマです。アジア太平洋のダイナミクスを理解するうえで、今後の中国・韓国の動きを丁寧に追っていくことが重要になりそうです。
Reference(s):
China-ROK ties strengthen, driving shared prosperity in Asia-Pacific
cgtn.com








