2025金融街フォーラム初日:中国金融政策とデジタル人民元
北京の金融街で8日(月)に開幕した「2025年金融街フォーラム」年次会合の初日では、中国の金融当局トップが相次いで登壇し、金融政策の方向性やデジタル人民元、資本市場改革などについてメッセージを発しました。本稿では、日本語で国際ニュースを読みたい読者向けに、そのポイントをコンパクトに整理します。
北京・金融街で年次会合がスタート
2025年の「Financial Street Forum(金融街フォーラム)」は、北京の金融街の中心部で開幕しました。国際情勢が不透明さを増すなか、中国の金融当局はリスク管理の強化と安定した成長の両立をどのように図るのかが注目されています。
初日の基調講演には、中国人民銀行(PBOC)の総裁であるPan Gongsheng氏、国家金融監督管理総局トップのLi Yunze氏、中国証券監督管理機関のトップであるWu Qing氏ら、金融分野の要人が登壇しました。
Pan氏:緩和的な金融政策と国債取引再開を表明
Pan氏は、世界経済や国際金融市場の不確実性が高まるなかで、中国はリスク管理を一段と重視しつつ、実体経済を支えるための金融緩和を続ける考えを示しました。
具体的には、支援的な金融政策スタンスを維持し、適度に緩和的な金融政策を実施しながら、複数の金融政策手段を組み合わせて活用していくと述べました。
- 支援的な金融政策スタンスを維持する方針
- 適度に緩和的な金融政策の継続
- 複数の金融政策手段を組み合わせる運営
また、今年初めに中国人民銀行が停止していた政府国債の取引についても言及しました。Pan氏は、当時は国債市場で需給の不均衡や市場リスクの蓄積が見られたため取引を一時中断していたとしたうえで、現在は債券市場全体の状況が良好であるとして、政府国債の取引操作を再開すると表明しました。
デジタル人民元:管理体制を最適化し、参加銀行を拡大
Pan氏はさらに、中国が進めるデジタル通貨「デジタル人民元」についても計画を示しました。中国人民銀行は、デジタル人民元の管理システムや通貨としての位置づけを最適化し、制度面を整えていく方針です。
あわせて、より多くの商業銀行がデジタル人民元ビジネスの運営機関として参加できるよう支援していくと述べ、利用主体の裾野を広げる姿勢を強調しました。
Li氏:金融機関と市民の「調和」と包摂性を重視
国家金融監督管理総局のトップであるLi Yunze氏は、金融機関と一般の人々との関係に焦点を当てました。金融と実体経済、そして社会とのバランスを取ることが、持続的で健全な経済・社会発展には欠かせないと強調しました。
そのうえで、直接金融と間接金融を統合した新しい金融サービスモデルを打ち出し、資産への投資と人への投資のバランスを取ることを目指すと説明しました。より多くの人が金融サービスにアクセスできる、包摂的な金融環境の実現を目標に掲げています。
Wu氏:ChiNextボード改革と海外投資家の受け入れ強化
中国証券監督当局のWu Qing氏は、新興分野の企業が上場するChiNextボードの改革を一段と進める方針を示しました。企業の革新性や起業家精神により沿った形で上場基準を見直し、新産業に対して、より的確で包摂的な金融サービスを提供していくとしています。
さらに、海外投資家の資格要件を改善する計画も明らかにしました。市場へのアクセス条件を最適化し、投資オペレーションの効率を高めるとともに、投資対象の範囲を拡大していく考えです。
変化の時代に中国が示した3つのキーワード
今回の金融街フォーラム初日のメッセージからは、変化の大きい時代において中国の金融当局が重視しているポイントが浮かび上がります。
- 金融リスク管理の強化と、支援的な金融政策の両立
- デジタル人民元を通じた金融インフラの高度化
- 新産業や人への投資を意識した、包摂的な金融・資本市場づくり
フォーラムは今後の日程でも、世界の金融システムや市場の変化にどう対応するかについて議論を深めていく予定です。国際ニュースとしての中国の金融政策や市場改革の動きは、日本を含む世界の投資家や企業にとっても無視できないテーマであり、今後の議論の行方が注目されます。
Reference(s):
Navigating change: Insights from day 1 of 2025 Financial Street Forum
cgtn.com








