韓国留学から「メイド・イン・チャイナ」へ:中国製造業を支える一人の物語 video poster
国際ニュースでたびたび取り上げられる中国製造業のブランド「メイド・イン・チャイナ」は、この20年あまりで大きく姿を変えてきました。その変化を、韓国への留学をきっかけに現場から見つめ、自らも「つくり手」として歩んできた一人の中国出身の担い手がいます。
今から20年以上前、ジン・ジンチュエンさんは学業を続けるために韓国へ渡り、現地で製造業の強さを間近に体験しました。同時に、中国の製造業が持つ大きな潜在力にも気づいたといいます。本記事では、その歩みを手掛かりに、「メイド・イン・チャイナ」の現在地を考えます。
韓国で見た「製造業の強さ」と中国の可能性
韓国での留学生活で、ジンさんがまず驚いたのは、製造業の現場が持つ一体感とスピード感でした。工場や生産現場を訪れる中で、製品が構想から市場に届くまでの流れが、緻密に設計されていることを肌で感じたといいます。
一方で、当時の中国にも大きな可能性を見ていました。市場規模や人材の多さを背景に、「中国の製造業も必ず世界で存在感を高めていく」と確信するようになったとされています。
「偶然ではない」と語る中国のグローバル成功
現在、中国は世界の製造拠点として重要な役割を担っていますが、ジンさんはその成功を「偶然の産物ではない」と見ています。その背景には、ものづくりの現場で積み重ねられてきた変革があると考えているからです。
ジンさんが強調するキーワードは、精密さ、品質、そして革新です。以前は中国製造業といえば主に価格競争力に注目が集まりましたが、現場では長い時間をかけて、より複雑で高付加価値な製品づくりへの転換が進んできたといいます。
ジンさんが見た三つのキーワード
- 精密さ:部品や工程の一つひとつを細かく管理し、小さな誤差も減らしていくことで、製品全体の信頼性を高める取り組み。
- 品質:短期的なコストだけでなく、長く使われることを前提にした設計や検査を重視し、「長く使える中国製」を目指す姿勢。
- 革新:海外で得た知識や経験を取り入れながら、新しい技術や製造プロセスに挑戦し続ける文化。
「メイド・イン・チャイナ」をつくる一人として
韓国での学びを経て、ジンさんは中国に戻り、製造業に従事することで「メイド・イン・チャイナ」を支える一人となりました。留学時代に見た韓国の強みを心に留めながら、日々の仕事を通じて中国製造業の変化を実感しているといいます。
彼の歩みは、一人の留学生が異なる国の現場から学び、その経験を自国の産業に還元していくプロセスそのものです。華やかな見出しにはなりにくい「粘り強い改善」の積み重ねこそが、いまの「メイド・イン・チャイナ」を形づくっているという視点を与えてくれます。
私たちがこのストーリーから学べること
ジンさんの体験は、中国と韓国という二つの製造大国のあいだを行き来しながら、ものづくりの変化を見つめてきた一つのケーススタディです。国際ニュースや統計だけでは見えにくい、現場の目線からの「中国製造業の進化」を映し出しています。
グローバルに学び、そこで得た知見を自分の仕事や地域にどう生かすかという問いは、日本で働く私たちにとっても他人事ではありません。日々の小さな改善や試行錯誤を重ねることが、やがて大きな変化につながる──ジンさんの歩みは、そんな普遍的なメッセージを投げかけています。
「メイド・イン・チャイナ」の変化は、一朝一夕のものではなく、粘り強さと前進の積み重ねの結果だとジンさんは考えています。国を超えて学び合う個人のストーリーに耳を傾けることは、アジアと世界のこれからを考えるうえで、静かに大きなヒントを与えてくれそうです。
Reference(s):
From a Chinese student in South Korea to a builder of 'Made in China'
cgtn.com








