中国とサン・ライフの20年提携が示すグリーン金融の可能性 video poster
再生可能エネルギーとグリーン金融で存在感を高める中国と、保険・資産運用グループのサン・ライフ・フィナンシャルの長期パートナーシップが、世界の脱炭素をどう後押ししようとしているのかーー。その一端が、北京で開かれた金融街フォーラムで語られました。
北京の金融街フォーラムに世界の金融界が集結
中国が今後の成長ロードマップを公表したのを受けて、北京で開かれた金融街フォーラム(Financial Street Forum)には、世界各地から金融機関の幹部や企業トップが集まりました。
この場で、中国の英語ニュースチャンネルCGTNのインタビューに応じたのが、サン・ライフ・フィナンシャル(Sun Life Financial Inc.)のクリス・ウェイ氏です。同氏はエグゼクティブ・バイス・プレジデント(副社長)であり、チーフ・クライアント&イノベーション・オフィサーを務めています。
ウェイ氏は、中国がすでに再生可能エネルギー分野で重要なリーダーとなっていることを強調し、その存在が世界のグリーントランジション(経済全体の脱炭素移行)を加速させると語りました。
再生可能エネルギーで先行する中国
ウェイ氏によれば、中国は太陽光や風力など再生可能エネルギーの分野で大きな存在感を持ち、その規模が世界の脱炭素投資に広い協力の余地を生み出しています。
こうした再生可能エネルギーへの投資は、単に発電能力を増やすだけでなく、グリーン金融や低炭素成長のための新しいビジネスモデルを生み出す基盤になります。設備の建設・運営に必要な長期資金が、金融市場を通じてどのように供給されるかが重要だからです。
サン・ライフとチャイナ・エバーブライトの20年パートナーシップ
サン・ライフは、チャイナ・エバーブライト・グループ(China Everbright Group)との協力関係を20年以上にわたって続けてきました。
ウェイ氏は、この長期パートナーシップが、保険と金融の専門性と、実体経済を支える事業との相乗効果を生み出していると説明します。
補完し合う強み
- サン・ライフ:保険ポートフォリオの構築や長期投資の運用に強み
- チャイナ・エバーブライト・グループ:銀行業務に加え、廃棄物処理や水管理、クリーンエネルギーなど環境関連事業で実績
金融とインフラ、エネルギー事業が結びつくことで、資金調達から設備投資、運営までを一体で考えた低炭素プロジェクトが可能になるといえます。保険会社が持つリスク分析と長期資金、環境関連事業が持つ現場のノウハウが組み合わされることで、より安定したグリーン投資の土台が整います。
グリーン金融を支える国境を越えた協力
ウェイ氏は、業種や国境をまたぐ協力こそが、グリーン金融と低炭素成長の潜在力を引き出す鍵だと指摘します。
グリーントランジションは、単一の企業や一国だけでは完結しません。発電所や送電網、廃棄物処理施設、水インフラなど、どれも巨額の投資と長期の視点が必要になるためです。
その意味で、保険会社や資産運用会社が持つ長期資金と、環境関連の事業会社が持つ技術や現場力が組み合わさるパートナーシップは、次のような役割を果たします。
- 再生可能エネルギーやインフラへの長期資金の供給
- プロジェクトのリスクを分析し、分散する仕組みづくり
- 環境・社会・ガバナンス(ESG)を踏まえた投資ルールの整備
ウェイ氏が強調したのは、こうした協力が特定の国だけで完結するのではなく、世界全体の低炭素成長を後押しする「グローバルなパートナーシップ」として機能し得るという点です。
日本の投資家・企業への示唆
北京の金融街フォーラムでの議論は、日本の投資家や企業にとっても無関係ではありません。中国とグローバル企業のパートナーシップは、アジア全体のグリーン金融の方向性を映す鏡でもあるからです。
今回のウェイ氏の発言から、日本側が参考にできそうなポイントを整理すると、次のようになります。
- 脱炭素を「コスト」ではなく、長期の成長機会として金融と事業を組み合わせて設計すること
- 長期資金を動かす保険・年金・資産運用と、再生可能エネルギーや環境インフラの現場をつなぐ仕組みづくり
- 単発の投資ではなく、10年・20年単位のパートナーシップとして関係を築く発想
世界が低炭素経済へとシフトするなかで、どの地域と、どの分野で、どのような形の協力関係を結ぶのか。北京で交わされた対話は、その問いに答える一つのヒントを示しているように見えます。
Reference(s):
cgtn.com








