米FRBが再び利下げ 政府閉鎖長期化リスクに備え3.75〜4%へ
米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利を再び引き下げ、米国の政府閉鎖が長期化するリスクに備える姿勢を鮮明にしました。景気減速懸念と依然高止まりするインフレのはざまで、世界経済や日本への影響にも注目が集まっています。
FRBが0.25ポイント利下げ、5回目の金融緩和
現地時間の水曜日、FRBの政策決定機関である連邦公開市場委員会(FOMC)は、米国の政策金利(フェデラルファンド金利)の誘導目標レンジを0.25ポイント引き下げ、3.75〜4.00%とすることを決めました。
今回の決定は、9月17日の利下げに続く「連続利下げ」となり、2024年9月以降では通算5回目の利下げです。FOMCは声明で、最近の経済活動について「緩やかなペースで拡大している」としつつも、雇用の伸びは年初から減速し、失業率もわずかに上昇していると指摘しました。
雇用は減速、インフレはなお高止まり
FOMCは、現在のアメリカ経済が「下振れリスクの高まり」と「インフレの粘り強さ」という二つの課題に直面しているとみています。
- 雇用:雇用者数の増加ペースは今年に入り鈍化し、失業率はやや上昇
- 物価:年初以降インフレ率は再び上向き、依然として高水準
- 先行き:経済見通しをめぐる不確実性は「依然として高い」と評価
こうした状況を踏まえ、FOMCは利下げによって景気の下支えを強めつつも、インフレ抑制という目標を維持する「難しいかじ取り」を続ける構図です。
政府閉鎖と統計の遅れが政策判断を難しくする
今回の利下げは、米連邦政府の一部閉鎖(いわゆる政府シャットダウン)が約1カ月に達しようとしているタイミングで行われました。政府閉鎖が続くと、一部の経済統計や行政サービスが停止・遅延し、FRBを含む政策当局が最新のデータを入手しにくくなります。
ICBCインターナショナルの分析によると、政府閉鎖の期間と経済損失のあいだには「単純ではない正の相関」があるとされています。閉鎖が長引けば長引くほど、あとから埋め合わせが難しい「恒久的な損失」の割合が高まりやすいという見方です。
同分析は、政府の財政機能が一部止まることで、FRBが行う金融政策の環境が一段と複雑になると指摘。そのうえで、経済リスクが高まる局面では、FRBが「タイミング」と「政策枠組み」の両面で、金融緩和を加速させる可能性があると予想しています。
量的引き締めを12月1日に終了へ
今回の会合では、利下げに加えて、FRBが保有資産を縮小してきた「量的引き締め(QT)」を終了する方針も示されました。FRBは12月1日をもって、国債などの保有資産を計画的に減らしていくプロセスを止めると発表しています。
量的引き締めの停止は、金融市場に供給される資金量を実質的に増やす方向に働くため、利下げとあわせて「一段と緩和的な環境」をつくる効果があります。市場では、今回の決定が今後の金利水準や債券・株式市場にどこまで波及するのかが注視されています。
次のFOMCは12月 追加利下げはあるか
FRBは次回のFOMC会合を12月に予定しています。今回の利下げと量的引き締めの終了を受け、金融市場では「12月会合でさらに利下げが行われるのか」「長期的な政策スタンスはどのように変わるのか」が大きな焦点となりそうです。
ICBCインターナショナルが指摘するように、政府閉鎖の長期化が続けば、FRBがより積極的な金融緩和に踏み込むとの見方もあります。一方で、インフレが高止まりする状況が続けば、利下げのペースを急ぎすぎることへの警戒も残ります。
日本の読者が押さえたいポイント
- 米金利の低下は、一般にドルの金利魅力を弱め、為替や国際資本の流れに影響しうる
- 政府閉鎖が長引けば、世界全体の景気見通しが不透明になり、日本企業の輸出や投資にも間接的な影響が出る可能性がある
- 12月のFOMCでは、追加利下げの有無だけでなく、FRBがどのような経済シナリオを描いているかが重要なチェックポイントとなる
米国の金融政策は、日本を含む世界の市場に広く波及します。利下げと政府閉鎖という二つの動きがどのように絡み合うのかを追いながら、自分なりの視点をアップデートしていくことが求められています。
Reference(s):
US Fed cuts rate again as government shutdown clouds outlook
cgtn.com








