中国と韓国の閣僚会談 サプライチェーン安定と自由貿易を協議
中国と韓国の閣僚が供給網を協議、自由貿易の維持を確認
中国の王文涛(Wang Wentao)商務部長と大韓民国(韓国)の金潤寬(Kim Jung-kwan)産業通商資源部長官は、韓国・慶州市で現地時間の土曜日に会談し、産業・サプライチェーン(供給網)の安定や、中国と韓国の二国間および地域・多国間の経済協力について意見を交わしました。
世界の物流や生産ネットワークが不安定さを増す中、東アジアの製造拠点である中国と韓国が、サプライチェーンの安定化に向けて連携を確認したことは、日本を含む周辺国にとっても重要な動きです。
サプライチェーン協力のホットラインと輸出管理対話を活用
王部長は会談で、中国と韓国が産業・サプライチェーン協力のホットラインや、輸出管理を巡る対話の枠組みを通じて、より緊密に意思疎通と調整を行うべきだと述べました。
具体的には、次の点が強調されたと伝えられています。
- ホットラインを活用し、供給途絶などのリスクが高まった際に迅速に情報共有すること
- 輸出管理(輸出規制や許可制度)に関する対話を続け、企業活動への影響を最小限に抑えること
- 二国間の産業・サプライチェーンの安定と円滑な流れを確保すること
サプライチェーンの混乱は、原材料や部品の不足、生産停止、価格高騰などを通じて、消費者や企業の双方に大きな影響を与えます。こうしたリスクを抑えるため、政府間でのホットラインや対話の枠組みが重視されていることが分かります。
WTOやRCEP、自由貿易協定で多層的な連携を
王部長はまた、世界貿易機関(WTO)や地域的な包括的経済連携(RCEP)といった枠組みの下で、中国と韓国が協力を強化すべきだと指摘しました。
さらに、中国・日本・韓国の自由貿易協定(中国・日本・韓国FTA)の交渉について、早期の再開に向けて共に取り組む必要性を強調し、自由貿易と多国間主義を共に守っていく姿勢を示しました。
韓国側の金部長官も、中国が韓国にとって重要な経済・貿易パートナーであるとした上で、中国・韓国自由貿易協定(中国・韓国FTA)の第2段階交渉を加速させる意向を表明しました。
あわせて、自治体レベルの経済・貿易協力を進め、二国間の貿易と投資を一層深め、地域・多国間での協力も強化していきたいとの考えを示しました。
日本にとっての意味:東アジアのサプライチェーン三角の一角
中国と韓国は、電子機器、半導体、自動車、電池など、多くの分野で世界的な生産拠点となっています。日本企業も、部品調達や生産委託、共同研究開発などを通じて、両国のサプライチェーンと深く結びついています。
2025年現在、地政学的な緊張や貿易摩擦、気候変動対策の強化などにより、企業はサプライチェーンの見直しを迫られています。その中で、中国と韓国がサプライチェーンの安定化と自由貿易の維持を確認したことは、日本企業にとっても次の点で関心が高いテーマと言えます。
- 部品・素材の安定供給に向けた、リスク分散と連携強化の可能性
- RCEPや将来の中国・日本・韓国FTAを通じた、関税や手続きの簡素化
- 脱炭素やデジタル化など新分野での、東アジア発の共同プロジェクト拡大
こうした動きはすぐに実務レベルの変化につながるわけではありませんが、企業が中長期の事業戦略を考えるうえで、重要な背景情報になります。
これからの焦点:多国間ルールと地域協力の行方
今回の会談では、WTOやRCEPといった既存の多国間枠組みの下での協力に加え、中国・日本・韓国FTA、そして中国・韓国FTA第2段階交渉といった、今後の交渉課題も取り上げられました。
どの枠組みも、関税だけでなく、デジタル貿易、投資ルール、知的財産、環境・労働基準など、企業活動に直結するルール作りと深くかかわっています。
東アジアの経済が相互に強く依存し合う中で、サプライチェーンの安定と自由貿易の維持は、各国の成長戦略とも切り離せません。今回の中国と韓国の閣僚会談は、その方向性を再確認する一歩として位置づけられそうです。
日本としても、自国の産業戦略や企業の投資判断を考える際に、こうした地域の動きを丁寧にフォローしていくことが求められています。
Reference(s):
Chinese, ROK ministers exchange views on supply chain stability
cgtn.com







