CGTNが3つのFASTチャンネル開設 約2億人に国際ニュースと中国情報を配信 video poster
国際ニュースを日本語で追う読者にとって、中国発の情報発信のかたちがまた一つ変わりつつあります。China Global Television Network(CGTN)が木曜日、無料広告付きストリーミングテレビ(FAST)形式の新チャンネル3本を世界向けに正式に立ち上げ、約2億人のユーザーに届く体制を整えました。
CGTNが3つのFASTチャンネルを世界同時展開
CGTNは今回、世界向けに初となるFASTチャンネルを3本同時に開設しました。チャンネル名は次の通りです。
- CGTN Global Business
- China Travel
- Discovering China
これらのチャンネルは、世界の15以上の国際的なFASTプラットフォームで24時間配信され、合計で約2億人規模のユーザーにリーチしているとされています。CGTNにとっては、国際発信を従来の放送だけでなく、新しい配信モデルへ広げるうえでの重要な一歩となります。
それぞれのチャンネルは何を見る場なのか
今回の3チャンネルは、いずれも海外の視聴者の関心ごとに合わせて「縦型(バーティカル)」に特化させた編成が特徴です。
CGTN Global Business:24時間の金融・経済情報
CGTN Global Businessは、世界のマーケット動向と中国経済を軸にしたビジネス専門チャンネルです。リアルタイムの市場アップデートや解説、専門家へのインタビューなどを通じて、中国の経済政策や市場機会を理解したい視聴者向けの情報サービスを24時間体制で提供するとしています。
国際ニュースやグローバル経済に関心のある投資家やビジネスパーソンにとって、中国関連のニュースを一か所でまとめて追える「経済ニュース窓口」のような役割を狙ったチャンネルだと言えます。
China Travel:観光とライフスタイルから見る現代中国
China Travelは、中国の観光とライフスタイルに焦点を当てたチャンネルです。現代の中国各地の観光地や都市の風景、地域ごとの食文化や日常の暮らしなどを紹介し、観光と日常生活の両面から中国の今を伝える内容になります。
旅行の予定がなくても、映像を通じて現地の雰囲気や暮らしぶりをのぞき見ることができる「バーチャル旅行」のような使い方も想定されます。
Discovering China:ドキュメンタリーでたどる中国の今
Discovering Chinaは、ドキュメンタリー作品を中心に編成されたチャンネルです。中国の現代化の歩みや各分野での取り組み、文化交流の現場などをテーマにした番組を集中的に届けることで、中国社会や文化の変化をストーリーとして追える構成になっています。
個別ニュースの断片ではなく、長い時間軸で中国の発展や社会の姿を知りたい視聴者に向けた、まとめ視聴型のチャンネルと位置づけられます。
急成長するFASTとは何か
今回CGTNが参入したFASTは、Free Ad-supported Streaming Television(無料広告付きストリーミングテレビ)の略です。世界のテレビ市場では近年、このFASTが新しい視聴スタイルとして急速に存在感を高めています。
FASTには、次のような特徴があります。
- 特定ジャンルに絞った「縦型」コンテンツ
- チャンネル名や内容が直感的に分かるシンプルな設計
- 番組構成も短めで、スマートフォンなどでも視聴しやすい
- 料金は無料で、広告収入を軸に運営される
視聴者はサブスクリプション(定額課金)なしで、ネット経由のチャンネルを「ザッピング」するように楽しめるのがFASTの基本的なスタイルです。ニュースやドキュメンタリーも、このフォーマットにあわせて再編集されるケースが増えています。
CGTNのFAST戦略と国際ニュース発信の行方
CGTNは2023年以降、FASTへの取り組みを本格化させてきました。すでに英語チャンネルやドキュメンタリーチャンネルを主要なFASTプラットフォームに展開しており、今回の3チャンネルはその延長線上に位置づけられます。
新たに立ち上げた3チャンネルのコンテンツは、CGTNがこれまで制作してきた番組ライブラリーから選び抜いたものをもとに構成されています。既存のコンテンツ資産を、視聴者の関心ごとに合わせて再パッケージし、24時間流し続けることで、海外の視聴者が中国関連の情報に触れる接点を増やす狙いが見て取れます。
国際ニュース市場全体でみると、視聴者は従来のテレビ放送、サブスクリプション型の配信サービス、そして今回のような無料広告付きストリーミングなど、複数の選択肢を組み合わせてニュースや情報にアクセスする時代に入っています。
そのなかでCGTNがFASTに力を入れることは、海外の視聴者にとって、中国の経済動向や観光、文化・社会をまとめて知る入り口が増えることを意味します。日本の視聴者にとっても、グローバルなニュース・情報の取り方を考えるうえで、こうした動きは一つの参考事例になるかもしれません。
国際ニュースがどこで、どのようなかたちで消費されるのか。CGTNのFASTチャンネルの展開は、ニュースの「場」が放送からネットへと多層化していく流れを映し出す試みとして、今後も注目を集めそうです。
Reference(s):
CGTN launches three FAST channels, reaching 200 million global users
cgtn.com








