米政府閉鎖で米FAAが40空港の航空便を1割削減へ
2025年12月現在、米連邦政府の一部閉鎖が過去最長となるなか、米連邦航空局(FAA)が全米40か所で航空便の運航を1割削減する方針を示しました。安全確保のためとはいえ、利用者や航空業界への影響は避けられない見通しです。
何が決まったのか
米運輸省のショーン・ダフィー長官は、連邦政府の一部閉鎖が続く中で、FAAが今週金曜日から40の拠点で航空機の離着陸回数を約10パーセント減らすと発表しました。対象となるのは、混雑が激しく、すでに現場に負荷がかかっている空港や空域とみられます。
ダフィー長官は会見で、40の市場で負荷の兆候が見えている以上、「問題を見て見ぬふりはできない」と強調し、深刻な安全問題が表面化する前に先手を打つ狙いがあると説明しました。削減に伴い欠航や減便は増える見通しですが、航空各社と連携して計画的に運航ダイヤを調整するとしています。
長期化する政府閉鎖と航空現場
今回の措置の背景には、米連邦政府の一部閉鎖の長期化があります。今回の閉鎖は米国史上最長となっており、航空管制や保安検査の現場を直撃しています。
FAAによると、およそ1万3000人の航空管制官と約5万人の空港保安要員が、閉鎖開始以降、無給のまま勤務を続けています。経済的な負担や精神的な疲労などから休暇を取得する職員も増えており、人員不足が深刻化。結果として、各地で遅延や運航トラブルのリスクが高まっていると指摘されています。
安全問題が顕在化する前に
ダフィー長官は、状況の悪化を座して待つのではなく、「今日できる対策でこれ以上の悪化を防ぐ」と述べ、今回の決定は予防的な一手だと説明しました。運航削減によって一定の混乱は避けられないものの、無理な運航を続けて重大事故の引き金となることを避けるべきだという判断です。
管制官の負担を減らす異例の措置
共同会見に臨んだブライアン・ベッドフォードFAA長官は、スケジュール上の容量を1割削減することが、航空管制官へのプレッシャーを和らげるうえで「適切な水準」だとの見方を示しました。今後も人員状況を示す指標を注視し、特定の地域でさらに厳しい条件が生じた場合には、追加措置も検討するとしています。
ベッドフォード長官は、航空業界で35年の経験があるとしたうえで、「このような措置を取らざるを得なくなった状況は記憶にない」と述べ、今回の政府閉鎖と対応が極めて異例であることを強調しました。
利用者への影響と備え
運航本数が1割削減されることで、米国内外の利用者にはさまざまな影響が出る可能性があります。具体的な対象空港や便名は明らかにされていませんが、混雑が激しい大都市圏などを中心に、欠航や大幅な遅延が発生するリスクがあります。
旅行や出張で米国を利用する場合、次のような点に注意しておくとよいでしょう。
- 搭乗予定の便の運航状況を、航空会社の公式アプリやサイトでこまめに確認する
- 乗り継ぎがある場合は、通常より長めの乗り継ぎ時間を確保する
- 万一の欠航に備え、代替便や経路、宿泊先の候補を事前にイメージしておく
- 重要な会議やイベントへの出席は、遅延リスクを織り込んだスケジュールを組む
問われる安全優先のあり方
今回の決定は、安全を最優先するという意味では多くの理解を得られる一方で、航空ネットワークの効率や経済活動への影響は避けられません。政府閉鎖が続く限り、追加の減便や空港運営への制約が広がる可能性もあります。
ダフィー長官とベッドフォード長官は、いずれも「安全問題が顕在化する前に行動する」というメッセージを繰り返しました。裏を返せば、これまで支えてきた現場の人員が疲弊しつつあることの表れともいえます。
公共インフラとしての航空を維持しつつ、現場の負担をどう軽減していくのか。今回の米国の動きは、日本を含む各国にとっても、社会を支える公共サービスと労働環境のバランスを考えるきっかけになりそうです。
Reference(s):
U.S. to cut air traffic by 10% at 40 locations as shutdown rumbles on
cgtn.com








