中国、米国向けデュアルユース輸出規制を一時緩和
中国商務省は、2024年に発表した輸出管理に関する公告の一部を一時的に停止し、米国向けのデュアルユース(軍民両用)品目に対する規制を緩和すると発表しました。半導体材料などを含むこの措置は、米中の経済・テクノロジー関係に静かな変化をもたらす可能性があります。
2024年第46号公告の第2条を一時停止
商務省によると、停止されるのは2024年の第46号公告の第2条です。同条は、ガリウム、ゲルマニウム、アンチモン、超硬材料などに関連するデュアルユース品目を米国向けには原則として輸出を認めないとし、あわせて黒鉛(グラファイト)のデュアルユース輸出についても、最終ユーザーと最終用途の審査を一段と厳しく行う内容でした。
この第2条の運用停止は、商務省が日曜日に公表した声明によると、同日から2026年11月27日まで続く時限的な措置です。現在(2025年12月初旬)時点で、既に停止措置は発効しており、約1年にわたって適用されることになります。
何が変わるのか
今回の発表は、第46号公告の第2条に基づいて設定されていた特別な制限が、少なくとも米国向けについては一時的に適用されなくなることを意味します。
- ガリウムやゲルマニウム、アンチモン、超硬材料に関するデュアルユース品目
- デュアルユースの黒鉛(グラファイト)
といった品目について、米国企業や在米の生産拠点との取引をめぐる審査の位置づけが変わる可能性があります。具体的に許可件数や審査プロセスがどう変わるかは今後の運用を見ていく必要がありますが、少なくとも原則不許可という強い文言は当面停止されることになります。
デュアルユース品目とは
デュアルユース(軍民両用)品目とは、民生用としても軍事・安全保障分野としても利用可能な技術や製品を指します。ガリウムやゲルマニウムなどは、半導体、通信機器、電力変換デバイスなどに使われる重要な素材として知られています。黒鉛は電池材料や耐熱部材などにも用いられます。
こうした素材は、民生用製品だけでなく、防衛や安全保障分野にも応用される可能性があるため、多くの国や地域が輸出管理の対象としています。輸出側にとっては、安全保障上の配慮と産業発展・国際協力のバランスをどう取るかが大きな課題になります。
米中関係への含意
米中の間では、近年、半導体や先端素材をめぐる輸出管理が相次いで強化されてきました。その中で、中国商務省が特定条項の運用を一時停止すると発表したことは、輸出管理を硬直的に運用するのではなく、状況に応じて調整していく姿勢を示す動きとも受け止められそうです。
企業にとっては、対象品目の取引に関する不透明感が一部和らぐ可能性があります。一方で、今回の措置はあくまで2026年11月27日までの時限措置であり、その後の扱いは未定です。中長期的な事業戦略を立てるうえでは、引き続き中国と米国の輸出管理や半導体政策の動向を注視する必要があります。
今後の注目ポイント
今回の措置に関して、今後注目されるのは次のような点です。
- 対象となる素材の対米輸出量やサプライチェーンへの影響がどの程度現れるか
- 米国側がどのように受け止め、関連する輸出管理や半導体政策に反映させていくか
- 時限措置が終わる2026年11月27日以降、第2条の扱いをどうするかという中国側の判断
デュアルユース品目の輸出管理は、安全保障と経済・技術発展のバランスをどう取るかという難しいテーマです。今回の中国の動きは、そのバランスの取り方が今後も固定的ではなく、状況に応じて見直されうることを示した一例といえます。日本を含む各国・地域の政策にも、静かな影響を与えていくかもしれません。
Reference(s):
China eases control measures on dual-use items export to U.S.
cgtn.com








