中国の双循環戦略が新局面へ 自由貿易区と越境ECが外部循環を加速
中国で進められている双循環戦略が、現在あらためて注目を集めています。国内の活力を高めながら、世界の市場やパートナーとのつながりを広げることで、新しい成長ルートをつくろうとする動きです。
双循環戦略とは何か
双循環戦略とは、国内の経済循環を軸にしつつ、国際的な貿易や投資などの外部循環と相互に補い合うことを目指す方針です。言い換えれば、内需やイノベーションなどの国内の活力と、世界のビジネス機会を結びつける戦略とされています。
現在、この双循環戦略のもとで、外部循環の部分をどう広げていくかが重要なテーマになっており、その具体的な場として自由貿易区やスマート港、越境ECなどが位置付けられています。
自由貿易区で進む試験的な改革
中国各地に設けられた自由貿易区では、通関手続きや投資ルールなどを緩和し、新しい制度やビジネスモデルを試す取り組みが続いています。こうした試験的な改革は、企業が海外との取引を行いやすくすることを通じて、外部循環の拡大につながるとみられています。
自由貿易区での経験が蓄積されれば、その仕組みを他の地域にも広げることで、国内全体のビジネス環境を高める効果も期待されます。国内循環と外部循環を橋渡しする実験場としての役割が強まっているといえます。
強靭なサプライチェーンとスマート港
双循環戦略のもう一つの柱が、サプライチェーンの強靭化です。生産から物流までの一連の流れを安定させることは、国内の産業を支えるだけでなく、海外のパートナーにとっても安心して取引できる基盤になります。
その中核として注目されているのが、スマート港です。スマート港とは、デジタル技術を活用して、コンテナの管理や通関手続きを効率化する港湾のことです。貨物の出入りがスムーズになれば、輸出入のコスト削減やリードタイムの短縮につながり、外部循環のスピードと信頼性を高める効果があります。
越境ECがつなぐ中国と世界の消費者
近年存在感を増しているのが、越境ECと呼ばれる国境を越えた電子商取引です。オンライン上のプラットフォームを通じて、中国の企業と世界各地の消費者や事業者が直接やり取りできるようになり、外部循環のルートが多様化しています。
越境ECは、中小企業にとっても海外市場へのアクセス手段になりやすく、地域に根ざした商品やサービスが世界に届くきっかけにもなります。双循環戦略において、デジタル経済が外部循環を後押しする象徴的な分野といえるでしょう。
共有される成長と協力の新ルート
自由貿易区での改革、強靭なサプライチェーン、スマート港、越境ECといった取り組みを通じて、中国の外部循環は新しい段階に入りつつあります。中国と世界の経済が結びつくルートが増えることで、成長の果実を分かち合い、協力の余地を広げることが意識されています。
日本を含むアジアや世界の企業・投資家にとっても、こうした変化はサプライチェーン戦略や市場開拓を考えるうえで無視できない要素になりつつあります。国内の活力と国際的なつながりをどう組み合わせていくのか。双循環戦略の動きを追うことは、ポストコロナ時代の経済のかたちを考えるヒントにもなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








