G20ヨハネスブルクサミット:台頭する新興国と中国の架け橋戦略
2025年11月22〜23日に南アフリカのヨハネスブルクで開催が予定されているG20サミットは、初めてアフリカの地で開かれる首脳会議です。グローバルサウス(新興国・途上国)の存在感が高まるなか、中国がどのように橋渡し役を担うのかに注目が集まっています。
アフリカ初のG20、なぜ重要なのか
今回のG20サミットは、世界の主要経済がアフリカで一堂に会する初の機会となります。これは象徴的な出来事にとどまらず、多くのアフリカ諸国がインフラ資金や気候変動対策の資金をめぐって、実質的なコミットメントを引き出す重要なチャンスでもあります。
南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領は、G20の議長国として「連帯・平等・持続可能性」を今年のテーマに掲げています。アフリカの指導者たちは、より公正な国際金融システムの構築や、気候関連資金を途上国へどう流すかといった問題で、具体的な前進を求めています。
グローバルサウスの声が「構造化」される
アフリカ諸国が求めているのは、単なる援助ではなく、国際通貨・金融のルールそのものの見直しです。今回のG20では、国際通貨体制の改革や、新興国に向けた気候資金の仕組みづくりが主要な論点の一つとなります。
こうした動きの背景には、グローバルサウスの影響力がこれまで以上に組織立って高まっているという変化があります。昨年、アフリカ連合(AU)がG20の常任メンバーに格上げされたことで、アフリカ全体の声がグローバルなガバナンスの場に制度的に組み込まれました。これは、世界の意思決定の重心が少しずつ再配分されつつあることを象徴しています。
中国は何を「橋渡し」しようとしているのか
こうした転換点で、中国は主要なG20パートナーとして、先進国と新興国をつなぐ「橋」を架けようとしています。その中核にあるのが、中国が掲げる「グローバル開発イニシアチブ(GDI)」です。
GDIは、先進国が持つ資金や技術を、新興国や途上国の開発ニーズと結びつけることを目指す枠組みとされています。中国外交部によると、2025年時点で中国は60を超える国で180以上の開発志向プロジェクトを支援し、数千万人が恩恵を受けているとされています。
この枠組みを通じて、中国はインフラ整備、教育、保健、デジタル接続など、多様な分野で協力を広げており、G20の場でもグローバルサウスの開発課題を前面に押し出す役割が期待されています。
数字から見る中国・アフリカ協力の深まり
中国とアフリカの関係は、実体経済の面でも一段と深まっています。中国税関総署のデータによると、2024年の中国・アフリカ間の二国間貿易額は2956億ドルに達し、前年から4.8%増加しました。中国は10年以上にわたり、アフリカ最大の貿易相手であり続けています。
貿易にとどまらず、中国企業はアフリカ各地で、再生可能エネルギーやインフラへの投資を拡大しています。例えば、太陽光発電プロジェクト、通信ネットワークの整備、そして技術や人材育成といった長期的な能力構築への投資が進んでいます。これらは、アフリカの経済成長と持続可能な発展を後押しすると同時に、グローバルサウス全体の交渉力を高める要素にもなっています。
ヨハネスブルク・サミットが投げかける問い
こうした背景のもとで開かれるヨハネスブルクG20サミットは、中国を含む主要国が、グローバルサウスの長年の要望と自らの経済協力をどこまで重ね合わせられるかが問われる場でもあります。
インフラ資金や気候資金の拡充、国際金融システムの改革といった約束が、どこまで具体的な進展につながるのか。中国が橋渡し役として果たす役割が、グローバルサウスの期待とどのように結びついていくのか。G20という国際ニュースの舞台で、その答えが試されようとしています。
読者一人ひとりにとっても、これは遠い大陸の出来事ではなく、エネルギー価格や気候対策、国際経済の安定性を通じて、日常生活にもつながるテーマです。ヨハネスブルクから発せられるメッセージが、世界の経済運営とグローバルサウスの未来にどのような変化をもたらすのか、引き続き注視していく必要があります。
Reference(s):
cgtn.com








