日本市場に「Sell Japan」の波 長期国債急落と20兆ドルキャリートレード懸念
今週、日本の長期国債が大きく売られ、10年債利回りは2008年以来の高水準、30年債は過去最高利回りを記録しました。日本市場には「Sell Japan(日本売り)」の悲観ムードが広がり、最大20兆ドル規模のキャリートレード巻き戻しが世界の資産市場を揺るがしかねないとの懸念が高まっています。
今週、日本市場で何が起きたのか
2025年12月の今週、日本の長期国債市場では急速な売りが入りました。国債が売られると価格は下がり、代わりに利回りが上昇します。今回は、
- 10年物国債の利回りが2008年以来の高水準
- 30年物国債の利回りが過去最高を更新
という、投資家の間でもインパクトの大きい動きとなりました。こうした金利上昇は、一時的な揺れにとどまるのか、それともトレンドの転換点なのかが注目されています。
「Sell Japan」とは何を意味するのか
今回の長期金利の急上昇は、日本市場全体に対する「Sell Japan」、すなわち「日本の資産を売る」動きと結びつけて語られています。「Sell Japan」という言葉には、
- 日本の国債を売る
- 日本株などのリスク資産から資金を引き揚げる
- 円での投資を減らし、他通貨や他地域の資産に資金を移す
といった広い意味合いが含まれます。市場心理が悲観に傾くと、売りが売りを呼び、相場の変動が大きくなりやすくなります。
20兆ドル規模と言われるキャリートレードとは
今回の報道で特に注目されているのが、「最大20兆ドルのキャリートレードが巻き戻される可能性がある」という点です。キャリートレードとは、
- 金利の低い通貨でお金を借りる
- 金利の高い通貨や資産に投資して利ざやを稼ぐ
という投資手法です。長年、低金利が続いた日本円は、このキャリートレードの「借りる側の通貨」として世界の投資家に使われてきました。
もし日本の長期金利上昇が続くと、
- 円で資金を調達するメリットが薄れる
- 過去に組んだ取引を解消してポジションを閉じる動きが広がる
可能性があります。これがいわゆる「キャリートレードの巻き戻し」です。20兆ドルは、日本円に換算すると、例えば1ドル=150円と仮定すると約3000兆円という巨大な規模になります。
なぜ世界の資産市場に波及しうるのか
キャリートレードが巻き戻されると問題になるのは、日本だけではありません。キャリートレードの資金は、
- 米国や欧州の株式や債券
- 新興国の通貨や国債
- 不動産投資信託などの高配当資産
など、世界中のさまざまな市場に広がっています。そのため、
- 日本の金利上昇 → キャリートレード解消
- 資産売却 → 世界の株価や債券価格への下押し圧力
- 一部の通貨で急激な値動きが起きる可能性
という連鎖が起きるリスクがあります。市場では、今回の日本の金利ショックが、世界同時的なリスクオフにつながるのではないかとの警戒感も出ています。
日本の投資家・家計にとっての意味
日本の長期金利上昇と「Sell Japan」の動きは、日本の投資家や家計にも影響を与えます。
- 国債や債券投信を多く保有している場合、短期的には評価損が出やすい
- 一方で、今後発行される新たな国債や定期預金の金利が高くなる可能性もある
- 株式市場にとっては、金利上昇が重荷となりやすく、値動きが不安定になるリスクがある
特に、老後資金や長期の資産形成のために投資をしている人にとっては、短期の値動きに振り回されすぎず、自分のリスク許容度や投資期間を改めて確認することが重要になってきます。
これから注目すべきポイント
今回の日本の長期金利ショックと「Sell Japan」の流れが、一時的なものなのか、それとも持続的なトレンドなのかは、今後の市場動向次第です。今後、注目されるポイントとしては、
- 日本の金利がさらに上昇するのか、一服するのか
- 円相場がどの程度動くのか
- 世界の株式・債券市場で、売りがどこまで広がるのか
- 主要な中央銀行や当局が、市場の急変にどう対応するのか
などが挙げられます。
2025年末にかけて、日本市場発のショックが世界の資産市場にどこまで波及するのか。日本に住む私たちにとっても、「日本の金利」という一見地味なニュースが、実は世界と自分の資産をつなぐ重要なテーマになりつつあります。
Reference(s):
Pessimism spreads in Japanese market as 'Sell Japan' wave hits
cgtn.com








