ドバイ・エアショー2025、中国企業の存在感と巨額契約
今年開催された5日間のドバイ・エアショー2025が金曜日に閉幕しました。エミレーツ航空による約380億ドルの大型発注など、商用と防衛の両分野で数十億ドル規模の契約が相次ぎ、中国の航空企業もこれまで以上に強い存在感を示しました。
ドバイ・エアショーは隔年で開かれる世界有数の航空見本市です。今年は115の国と地域から1500社超が参加し、商用旅客機から軍用機、次世代ドローンまで200機以上が展示されました。会場は、世界の航空宇宙産業のリアルなマーケットプレイスとなりました。
5日間で動いた巨額ディール
今回の国際ニュースでまず目を引くのは、その契約規模の大きさです。エミレーツ航空は、ボーイングの大型機777-9を65機発注し、その金額は380億ドルに上ります。中東のハブ空港を軸に、今後も長距離国際線を拡大していくという同社の姿勢がにじみます。
UAEで防衛分野の調達などを担うタワズン・カウンシル(Tawazun Council for Defence Enablement)も、この5日間で36件の契約を締結し、総額は約68億ドルに達しました。フライドバイやエティハド航空、エチオピア航空など、地域内外の航空会社も相次いで数十億ドル規模の発注を行い、展示会場は世界の航空機ビジネスが一気に動く場となりました。
こうした大型契約は、航空産業が依然として成長市場であることを示しています。
中国の航空企業、ドバイで存在感を強める
今回のドバイ・エアショー2025で注目を集めたもう一つのポイントが、中国の航空企業の存在感です。約50社の中国企業が参加し、その中心的な話題となったのが、商用旅客機C919を手がけるCOMACでした。
C919は今回、中東で初めて一般公開されました。運航するChina Southern Airlines(中国南方航空)は機体を開放し、来場者が客室内を見学したり、操縦士と直接言葉を交わしたりできるようにしました。
COMACはC919のフライトデモも実施し、この地域での初飛行披露となりました。客室の居住性だけでなく、実際の飛行性能を見せることで、ビジネス関係者や航空ファンに強い印象を残したと言えそうです。
従来の大手メーカーが長く主導してきた民間旅客機市場に対し、中国のメーカーが新たな選択肢として存在感を高めつつあることを示す場面でもありました。特に中東のように、新路線の開設やフリート拡大に積極的な地域でのアピールは、今後の国際展開に向けた重要な一歩と見ることができます。
航空ショーから読み取れる3つのポイント
- 航空・防衛の両面で巨額投資が継続:エミレーツ航空の380億ドル発注に加え、タワズン・カウンシルの約68億ドルの契約など、民間と防衛をまたぐ形で資金が動きました。
- 中東を起点にしたハブ戦略の加速:フライドバイ、エティハド航空、エチオピア航空なども大型契約に踏み切り、ドバイを中心とする地域のハブ機能強化がうかがえます。
- 中国メーカーの国際市場での存在感拡大:約50社の中国企業が参加し、C919の中東デビューやフライトデモを通じて、国際市場への本格的な参入姿勢を示しました。
日本の読者にとっての意味合い
こうした国際ニュースは、一見すると遠い世界の出来事に感じられるかもしれません。しかし、世界の航空機ビジネスの重心がどこに移りつつあるのか、どの企業が次の主役になろうとしているのかは、日本の航空会社や関連産業、さらには海外旅行をする私たちにも少なからず影響します。
ドバイ・エアショー2025で見えたのは、湾岸地域が依然として航空ネットワークの重要な結節点であり、中国の航空企業がその場を活用して国際的なプレゼンスを高めているという構図です。今後の航空ニュースを追ううえで、どの地域が新しいハブになりつつあるのか、どのメーカーがどこで存在感を強めているのかといった視点を持っておくと、同じニュースでも見え方が変わってくるかもしれません。
5日間で数十億ドル規模の契約が飛び交い、200機を超える最新機が集まったドバイ・エアショー2025。そこで際立った中国企業の動きは、航空機市場の競争が今後ますます多極化していくことを静かに物語っています。
Reference(s):
cgtn.com








