日中の政治的緊張で日本企業が中国市場喪失を懸念 名古屋大学・山本敏之氏 video poster
日中関係をめぐる最近の政治的な緊張が、モノとサービスの貿易に影響し、日本企業が中国市場を失うことを強く懸念している――。名古屋大学 IMaSS 副所長の山本敏之氏は、国際ニュース専門チャンネル CGTN のインタビューでこう指摘しました。
日本語で国際ニュースを追う読者にとっても、日中の経済関係は自分の仕事や暮らしに直結するテーマです。本記事では、山本氏の発言を手がかりに、日本企業が抱える不安と今後の課題を整理します。
日本企業が抱く中国市場喪失への不安
山本氏の発言の背景には、日本企業にとって中国市場が長年、最重要クラスの海外市場であり続けてきたという現実があります。中国市場は、多くの業種にとって次のような意味を持っています。
- 製造業にとっては、巨大な需要と生産拠点の両方を担う市場
- サービス産業にとっては、観光やビジネス需要を通じた成長の源泉
- スタートアップや中堅企業にとっては、新たな顧客と提携先を見いだす場
こうした中で、政治的な緊張によって貿易やビジネスの見通しが悪くなると、「このまま中国市場に依存していて大丈夫なのか」「しかし、簡単には代わりの市場を見つけられない」というジレンマが強まりやすくなります。
政治的緊張がモノとサービスの貿易に及ぼす影響
山本氏は、最近の政治的な緊張が、日中間のモノとサービスの貿易に実際に影響を及ぼしていると述べました。この一言には、日本の産業界の広い範囲に波紋が広がっている状況がにじみ出ています。
一般に、国家間の政治的な関係が不安定になると、企業活動には次のような形で影響が生じやすいと考えられます。
- 規制や認可の手続きに時間がかかり、事業計画が立てにくくなる
- 関税や各種の手続きが複雑になり、コストやリスクが読みづらくなる
- 消費者や取引先の心理が冷え込み、新規投資や長期契約に慎重になる
こうした不確実性が続くと、企業は大きな投資や長期プロジェクトに踏み出しにくくなります。その結果として、日中双方のビジネス機会が細りかねないことを、日本の産業界が強く懸念していると見ることができます。
日本企業はどう対応すべきか
政治的な環境は、企業単独ではコントロールできません。しかし、その影響を和らげるために、企業側が取りうる選択肢もいくつか考えられます。
- リスク分散と中国市場の「再定義」
中国市場から一気に撤退するのではなく、依存度を適切に調整しつつ、中国ビジネスを中長期でどう位置づけるかを見直すことが重要です。 - サプライチェーンの柔軟化
部品調達や生産拠点を複数の地域に分散させることで、どこか一つの地域に問題が生じても全体が止まらない体制を整える動きが求められます。 - 現地パートナーとの対話の維持
緊張が高まる局面だからこそ、現地の取引先やパートナー企業との対話を絶やさず、相互理解を深めることが、ビジネス継続の土台になります。
こうした対応は時間もコストもかかりますが、「中国市場を失うリスク」と「中国市場から得られる機会」の両方を冷静に見極めるうえで避けて通れないプロセスだと言えます。
私たちにとっての日中経済ニュースの意味
山本氏の指摘は、日本企業の経営者だけでなく、一般の生活者や若い世代にも関係する話です。日中貿易の変化は、身近な商品の価格、就職や転職の選択肢、観光や留学の機会など、さまざまなかたちで私たちの生活に影響しうるからです。
日中関係に関するニュースは、ときに感情的な議論になりがちです。しかし、国際ニュースを日本語で丁寧に追うことで、「何が起きているのか」「企業や社会はどう対応しうるのか」を一つひとつ確認していくことができます。
中国市場をめぐる日本企業の不安は、単なるビジネスの話ではなく、これからのアジアと世界の中で、日本がどのように関わり方をデザインしていくのかという問いでもあります。本記事をきっかけに、周囲の人とも日中経済のニュースについて対話を深めてみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
Japan's firms worried about losing China market: Japanese academic
cgtn.com








