トランプ政権のDOGEが8カ月前倒し終了 「仕事は続く」は本当か video poster
トランプ米大統領の2期目政権で看板施策とされた「政府効率省(Department of Government Efficiency、略称DOGE)」が、予定より8カ月早く幕を下ろしました。政権は「仕事は続く」と説明しますが、その実態や行方はなお不透明です。
DOGEとはどんな構想だったのか
政府効率省(DOGE)は、その名称が示す通り、連邦政府の行政コスト削減や業務の効率化を掲げて設置された部門です。トランプ政権2期目の「象徴プロジェクト」として打ち出され、官僚機構のスリム化や、デジタル技術の活用による行政サービスの刷新が期待されていました。
中国国際テレビ(CGTN)のワシントン発の報道によると、このDOGEが当初の予定より8カ月早く終了したにもかかわらず、一部の報道では「形を変えて存続している」との見方も出ていました。しかし、政権高官はDOGEそのものが廃止されたことを認めています。
「省はなくなったが、仕事は続く」矛盾するメッセージ
政権高官は、DOGEという組織は「すでに存在しない」と明言しつつも、「DOGEが担っていた仕事は今後も続く」と強調しています。これは、組織としての看板は下ろしつつ、プロジェクトや検討事項は別の枠組みに引き継ぐという意味合いだと受け止められます。
ただし、どの省庁がどの業務を引き継ぐのか、予算や人員はどう扱われるのかといった具体像は示されていません。実際に行政の効率化が継続されるのか、それとも政治的な看板だけが差し替えられるのかは、今後の公表情報を見極める必要があります。
イーロン・マスク氏という「割れる象徴」
DOGEをめぐっては、テクノロジー企業の経営者として知られるイーロン・マスク氏の関与が、数カ月にわたり賛否を呼んできました。政権の一員としてDOGEに関わったものの、その存在は支持層と批判層を鋭く分ける存在となっていたとされています。
マスク氏はすでに政権を離れており、現在はトランプ大統領と激しい公開の場での対立を続けています。象徴的な民間人が離反し、かつ政権トップとの対立が先鋭化する中で、DOGEというブランドを維持することが政治的コストになった可能性も否定できません。
「行政の効率化」はなぜ難しいのか
行政の効率化や無駄削減は、どの国でも有権者に響きやすいスローガンです。一方で、実際に組織を新設したり統廃合したりすると、既存の利害や現場の負担、雇用への影響が避けられません。トランプ政権のDOGEも、「新しい省を作って効率化を進める」という構図そのものが矛盾をはらんでいたとも言えます。
今回、DOGEという名前の省はなくなったとされていますが、看板を下ろすことが行政の効率化そのものの失敗を意味するわけではありません。大事なのは、どのような指標で効率化の成果を測り、どこまで情報公開するかという点です。
これから注目したいポイント
DOGE終了後のトランプ政権の動きを見るうえで、注目したいポイントは次の3つです。
- DOGEが掲げていた行政改革の目標が、別の委員会やタスクフォースとして再定義されるのか
- 関連する予算や人員がどのように再配分されるのか
- トランプ大統領とマスク氏の対立が、政策全体の説明や評価にどの程度影響するのか
DOGEの看板が消えたあとも、アメリカの行政改革は続いていきます。その過程で、政治的なメッセージと実際の制度設計のギャップをどう埋めていくのか――今回のDOGEをめぐる一連の動きは、私たちが国際ニュースを読むときの重要な視点を静かに投げかけています。
Reference(s):
cgtn.com







