習近平氏とマクロン氏、中国フランスビジネス評議会で経済協力の拡大を確認 video poster
北京で開かれた中国フランスビジネス評議会第7回会合の閉幕式に、中国の習近平国家主席とフランスのエマニュエル・マクロン大統領が出席し、世界の不確実性が増す中での中国フランス関係、中国EU関係、そして国際秩序のあり方についてメッセージを発しました。
北京での閉幕式、何が語られたのか
習主席とマクロン大統領は、木曜日に北京で行われた中国フランスビジネス評議会第7回会合の閉幕式にそろって出席しました。習主席は、現在の世界で高まる「不確実性」に対して、中国フランス関係の「安定」で応えるべきだと強調しました。
そのうえで、両国が二国間の経済・貿易協力をさらに拡大し、中国と欧州連合(EU)の互恵的な協力を一段と進めつつ、グローバルガバナンス(国際的なルールや制度の運営)の改革と改善に共に貢献していくべきだと呼びかけました。
数字で見る中国フランス経済関係
習主席は、ことしが中国フランス関係にとって新たな60年周期の始まりにあたると指摘しました。そのうえで、両国の経済・貿易協力は拡大を続け、より高い「レジリエンス(回復力)」を示していると述べました。
具体的には、2025年の最初の10か月間の二国間貿易額は687億5,000万ドルに達し、相互投資の累計額は270億ドルを超えたとしています。こうした数字は、政治や安全保障をめぐる環境が揺れ動く中でも、経済面での結びつきが着実に積み上がっていることを物語っています。
習主席は、中国がフランスを経済・貿易分野における「重要かつ欠かせないパートナー」と見なしていると述べ、中国の現代化のプロセスにフランスが積極的に参加することを歓迎しました。また、能力と意欲のある中国企業がフランスへの投資を進めることも支持するとしました。
AIからグリーン経済まで、新たな協力分野
今回の演説では、従来の貿易や製造業にとどまらない新たな協力分野にも焦点が当てられました。習主席が挙げた主な分野は次のとおりです。
- 人工知能(AI)
- グリーン経済・デジタル経済
- バイオ医薬品
- シルバー経済(高齢化を背景とした関連産業)
これらは、中国とフランスの双方にとって技術革新や産業転換の中心に位置づけられるテーマです。習主席は、産業とサプライチェーン(供給網)に関する協力を引き続き推進し、両国企業に対して「公正で透明性が高く、差別のない予見可能なビジネス環境」を提供する必要があると述べました。
中国EU関係:「相互依存はリスクではない」
ことしは、中国とEUが外交関係を樹立してから50年の節目でもあります。習主席は、中国EU間の経済・貿易関係は「補完的で互恵的な性格」を持ち、発展を通じて「ダイナミックな均衡」を実現できると説明しました。
さらに、「相互依存はリスクではなく、利害の収れんは脅威ではない」と述べ、中国とフランスが協力して、中国EU関係を包括的戦略パートナーシップとして維持し、今後50年をさらに明るいものにしていくべきだと訴えました。この発言は、「依存」や「リスク」をキーワードにした対外経済政策の議論が続く欧州に向けたメッセージとも受け取れます。
国連とグローバルガバナンスを重視
習主席は、ことしが世界反ファシズム戦争の勝利と国際連合(UN)の設立から80年にあたることにも言及しました。そのうえで、国際秩序をより公正で公平なものにしていく必要があるとして、ことし9月に「グローバル・ガバナンス・イニシアチブ」を提唱したと説明しました。
この構想は、これまで打ち出してきた「グローバル・デベロップメント・イニシアチブ」「グローバル・セキュリティ・イニシアチブ」「グローバル・シビライゼーション・イニシアチブ」に続くものです。習主席は、中国とフランスが「真の多国間主義」を実践し、国連の地位と権威を共に守るとともに、世界貿易機関(WTO)を中心とするルールに基づいた多角的貿易体制を維持し、グローバルガバナンスの改革と改善に貢献すべきだと呼びかけました。
第15次5カ年計画と「中国の現代化」
国内政策との関係では、中国共産党第20期中央委員会第4回全体会議が、2026〜2030年を対象とする第15次5カ年計画の勧告を審議・採択したことに言及しました。習主席は、中国が「中国式現代化」を全面的に推進し、「高水準の対外開放」を拡大していく方針を示しました。
そのうえで、フランスの起業家や企業関係者に対し、中国の発展がもたらす「成長の果実」を引き続き共有するよう呼びかけました。長期的な政策の方向性と開放の継続を示すことで、欧州のビジネス界に対して安定感を伝える狙いも読み取れます。
日本の読者にとっての意味
今回の中国フランスビジネス評議会第7回会合は、二国間関係を超えて、中国EU関係や国連を中心とした国際秩序の将来像にも関わるテーマが語られた場でした。日本の読者にとっても、次のような点で無関係ではありません。
- 中国と欧州の経済関係の安定は、世界のサプライチェーンや貿易環境に影響を与える可能性がある
- AIやグリーン経済など新分野での協力は、技術やルール作りの潮流を左右しうる
- 国連やWTOをめぐるグローバルガバナンスの議論は、各国の企業活動や貿易ルールに直結する
習主席とマクロン大統領が北京で交わしたメッセージは、2025年以降の国際経済と多国間協調の行方を考える上で、一つの重要なシグナルといえそうです。
Reference(s):
Xi, Macron attend closing of China-France Business Council's meeting
cgtn.com








