G20サミットをグローバルサウスから読む BizTalk特別版 video poster
2025年にアフリカ大陸で初めて開催されたG20サミットは、グローバルサウスと新興国にスポットライトを当てる節目の会合となりました。その成果を多角的に振り返る特別番組が、国際経済番組BizTalkの特別回『G20 review: Towards a more united & sustainable future』です。
CGTNとTV BRICSが共同制作した今回のBizTalkでは、CGTNのZheng Junfeng氏とTV BRICSのキャスター、Yana Panferova氏が進行役となり、各分野の専門家を招いてG20の結果とその世界的な意味合いを議論しました。デジタル経済、人工知能(AI)、グリーントランジション、BRICS協力、そしてグローバルサウスで広がる新たな機会まで、幅広いテーマが取り上げられています。
アフリカ初開催のG20サミットが示したもの
今年アフリカ大陸で初めて開かれたG20サミットは、先進国中心だった国際経済ガバナンスに、グローバルサウスの視点をより強く組み込もうとする動きの象徴といえます。新興国や開発途上国にとって、インフラ整備やデジタル化、気候変動対策などの課題は「待ったなし」であり、その声をどう世界の意思決定に反映させるかが焦点になりました。
BizTalkの特別回は、こうした問題意識を背景に、G20での議論を「合意文書」だけでなく、グローバルサウス側からの視点で読み解こうとする試みでもあります。
BizTalk特別版の焦点:5つのキーワード
番組で扱われた主なテーマは、次の5つです。
- デジタル経済:デジタルインフラとデータの時代に、誰がルールをつくるのか
- 人工知能(AI):成長のエンジンであると同時に、格差拡大のリスクもはらむ技術
- グリーントランジション:気候変動と経済成長をどう両立させるか
- BRICS協力:新興経済の連携が国際秩序に与えるインパクト
- グローバルサウスの機会:新市場としてだけでなく、パートナーとしてどう向き合うか
デジタル経済とAI:ルールメイキングの主役争い
デジタル経済は、金融、物流、教育、医療まで社会のあらゆる分野を変えつつあります。一方で、インターネット環境やデジタルスキルへのアクセス格差は依然として大きく、グローバルサウスにとっては「新しい成長エンジン」であると同時に、「新たな格差の源」になりかねません。
番組では、デジタル貿易のルールづくりやデータの扱い、AIの倫理・安全性といった論点が整理されました。誰が標準を決め、その標準が新興国やグローバルサウスの発展にどう影響するのか——G20の場は、まさにその調整の最前線でもあります。
グリーントランジション:気候と成長の両立を探る
もう一つの柱が、グリーントランジション(脱炭素社会への移行)です。気候変動の影響を強く受けるのは多くの場合グローバルサウスですが、再生可能エネルギーへの転換やインフラの整備には巨額の資金と技術が必要になります。
G20では、気候対策と経済成長を両立させるための投資や技術協力、グリーンファイナンス(環境配慮型の資金供給)の枠組みが議論されました。BizTalk特別版は、こうした動きを「負担」ではなく「新しい産業機会」として捉える視点を示し、グローバルサウスの国々が主体的に参加する重要性を指摘しています。
BRICSとグローバルサウス:多極化する世界経済
番組では、BRICSをめぐる議論も取り上げられました。BRICSは、グローバルサウスや新興経済の連携を象徴する枠組みとして、貿易、投資、インフラ、金融協力などで存在感を高めています。
G20とBRICSは競合関係というより、国際経済ガバナンスを補完し合う関係として位置づけられています。グローバルサウスの声をより反映させることで、多極化する世界経済のバランスを取ろうとする動きともいえます。
グローバルサウスの「機会」をどう捉えるか
BizTalk特別版が強調したのは、グローバルサウスを「支援の対象」としてだけ見るのではなく、「共に成長するパートナー」として捉える視点です。人口の増加、都市化、デジタル化の進展により、アフリカやアジア、ラテンアメリカでは新しい市場とイノベーションが生まれつつあります。
G20サミットでの議論は、そのポテンシャルをどう引き出し、持続可能な形で世界経済に組み込んでいくかという問いにつながっています。
日本の読者にとっての3つのポイント
日本からこのBizTalk特別版とG20サミットを眺めると、次の3つのポイントが見えてきます。
- ビジネスの視点:グローバルサウスは「遠い市場」ではなく、デジタルやグリーン分野で共創できるパートナーになりつつあります。
- 政策・ルールの視点:デジタル経済やAIの国際ルールづくりで、日本はどのように役割を果たし、グローバルサウスとの橋渡しができるのかが問われています。
- キャリアの視点:国際協力、環境、テック、金融などの分野で、アジアやアフリカを含むグローバルサウスとの仕事は今後ますます重要になりそうです。
「読みやすいのに考えさせられる」G20の入り口として
G20サミットの合意文書や首脳会議のニュースだけでは、背景にある利害やグローバルサウスの声は見えにくいことが多いものです。BizTalk特別版は、そうした複雑なテーマを、デジタル経済、AI、グリーントランジション、BRICS協力という具体的なキーワードから整理し、視聴者にとっての問いとして提示しています。
2025年のG20サミットをきっかけに、世界のルールづくりがどの方向へ進むのか。そして、その変化の中で日本やアジアがどのようにグローバルサウスと協力していけるのか。番組での議論は、そうした問いを静かに投げかけているように見えます。
Reference(s):
BizTalk | G20 review: Towards a more united & sustainable future
cgtn.com








