海外機関が相次ぎ引き上げ 中国の2025年成長率予測が示すもの
2025年も終わりに近づくなか、中国経済の成長率をめぐる海外の見通しが静かに変わりつつあります。国際機関や大手金融機関が相次いで予測を引き上げ、5%成長を見込む声が広がっています。
ゴールドマン・サックスとOECDがそろって上方修正
米金融大手ゴールドマン・サックスは11月下旬のリポートで、中国の2025年の実質GDP成長率見通しを4.9%から5.0%へと引き上げました。同社は、今後数年間の中国の実質輸出成長率についても、従来の年2〜3%から5〜6%へと上方修正しています。
背景には、中国製品が世界の市場シェアを拡大しているとの見方があります。輸出が想定より堅調に推移すると見込まれれば、成長率全体の押し上げ要因になるという判断です。
経済協力開発機構(OECD)も12月2日、中国の2025年のGDP成長率予測を4.9%から5.0%へと引き上げました。複数の機関が同じ水準で予測を見直したことで、中国が世界成長の安定要因の一つとみなされている姿が浮かび上がります。
拡張的な財政政策と内需テコ入れ
OECDは、中国の財政政策が拡張的なスタンスを取っている点を指摘しています。所得を下支えし、消費を押し上げるための各種対策に加え、自動車や家電の買い替えを促すトレードイン(下取り)プログラムが進められているとしています。
こうした政策の組み合わせは、外需に依存しすぎない成長パターンをめざす動きとしても位置づけられます。家計の懐を温めることに軸足を移すことで、景気の下振れリスクを和らげる狙いがあるとみられます。
ドイツ銀行のXiong Yi氏(中国担当チーフエコノミスト)は、中国が財政政策を一段と強化している点に注目します。約5000億元(706.7億ドル)規模の政策金融ツールの新設などにより、2025年10〜12月期から2026年初めにかけて、国内需要を力強く支える可能性が高いとの見方を示しました。
2026年に向けた穏やかな成長シナリオ
モルガン・スタンレーは最新リポートで、2026年の中国経済について緩やかな成長を見込んでいます。同社は、ターゲットを絞った形での政策緩和、経済構造の段階的なリバランス(バランス調整)、物価上昇を抑える取り組みといった要素を挙げています。
急激な景気刺激ではなく、インフレを抑制しつつ持続性のある成長をめざす運営スタイルが続くとの想定です。海外の投資家や企業にとっても、こうした「ほどよい成長と安定」の組み合わせは重視されるポイントになっています。
BRICS新開発銀行、パンダ債で資金調達を拡大
12月5日には、BRICS新開発銀行(New Development Bank)が、中国の銀行間債券市場で3年物パンダ債を30億元(4.29億ドル)発行したと発表しました。これにより、同銀行が中国で発行したパンダ債の累計額は785億元(112.1億ドル)に達します。
パンダ債は、海外の機関が中国国内市場で人民元建てで発行する債券の総称です。国際的な開発金融機関がこうした形で資金調達を進めることは、中国の資本市場が長期資金の受け皿として活用されていることを示しています。
統計当局が語る「変わらない基礎体力」
中国国家統計局の報道官は、最新の経済動向を踏まえつつ、次のような点を強調しています。
- 経済運営は全体として安定していること
- 高品質な発展に向けた取り組みが着実に進展していること
- 強い回復力と大きな潜在力といった中国経済の基礎的な強みは変わっていないこと
海外機関による成長率予測の引き上げは、こうした認識と響き合う部分があります。2025年末の時点で見れば、輸出の持ち直しと内需の下支え策がどこまで実体経済に浸透しているのか、そして2026年に向けて政策と市場がどのようなバランスを探っていくのかが、今後の焦点になりそうです。
一連の予測や発言は、中国経済をめぐる評価が単純な楽観論でも悲観論でもなく、データと政策運営を慎重に見極めながら更新され続けていることを物語っています。2026年に向けて、成長の質と安定性をどう両立させていくのか。そのプロセスを追うことが、世界経済を理解するうえでも重要になっていきそうです。
Reference(s):
Foreign institutions raise forecasts for China's economic growth rate
cgtn.com








