中国本土の11月経済、安定成長続く 工業とサービスがけん引
中国本土の11月の主要経済指標が公表され、工業生産とサービス産業がそろって拡大しました。高度な製造業へのシフトと、サービス消費の回復が、安定した成長ペースを支えているようです。
2025年12月15日、中国本土の国家統計局(NBS)は11月の経済データを発表しました。発表によると、工業生産、サービス業、個人消費のいずれも前年同月を上回り、中国本土経済が全体として着実な歩みを続けていることがうかがえます。
工業生産:設備・ハイテクが全体を牽引
11月の規模以上工業企業(一定規模以上の工業企業)の付加価値は、前年同月比4.8%増となりました。前月比でも0.44%増と、安定した伸びを維持しています。
中でも目立つのが設備製造業とハイテク製造業です。設備製造業は前年同月比7.7%増、ハイテク製造業は8.4%増と、全体の工業生産をそれぞれ2.9ポイント、3.6ポイント上回る成長となりました。
生産の「量」だけでなく、「質」の高度化が進んでいることが、数字から読み取れます。設備やハイテク分野が伸びるということは、インフラ更新やデジタル化、スマート製造など、将来の成長の土台づくりが進んでいることを意味します。
サービス産業:回復が続く第三次産業
サービス産業も堅調です。11月のサービス業生産指数は前年同月比4.2%増となり、現代的なサービス業の拡大と、経済構造の転換が続いていることを示しました。
製造業中心の経済から、サービスや知識集約型産業の比重が高まると、雇用のかたちや企業のビジネスモデルも変わっていきます。中国本土でも、金融、物流、IT関連サービスなど、付加価値の高い分野が引き続き成長しているとみられます。
個人消費:4.39兆元に拡大、緩やかな伸び
消費の動きも、緩やかながらプラスを維持しました。11月の社会消費品小売総額(小売売上高に相当)は4.39兆元(約6223億ドル)となり、前年同月比で1.3%増加しました。
伸び率自体は控えめですが、市場消費が引き続き拡大していることを示す数字です。特にサービス消費や一部の小売分野での需要が、全体を下支えしているとみられます。
モノの購入だけでなく、旅行、外食、エンターテインメントなどのサービス消費が戻るかどうかは、今後の成長の持続性を左右する重要なポイントです。
数字が示す3つのポイント
今回の11月指標からは、次のようなポイントが浮かび上がります。
- 安定成長の土台としての製造業高度化
設備製造やハイテク製造が全体を上回る伸びを見せており、産業構造の高度化が続いています。 - サービス経済へのシフト
サービス産業の生産指数が4.2%増となり、第三次産業が成長エンジンとしての存在感を強めています。 - 消費の回復は「着実だが慎重なペース」
小売売上高の伸びは1.3%にとどまるものの、プラス成長を維持しており、内需がゆっくりと回復している姿がうかがえます。
世界経済の中で注目されるポイント
中国本土の経済動向は、アジアや世界の貿易・投資にも影響を与えます。とくに設備製造やハイテク製造の伸びは、サプライチェーンやデジタル関連分野での協力や競争の構図にも関わってきます。
一方で、内需やサービス消費の持続的な回復がどこまで進むかは、今後の焦点です。雇用環境や所得の動き、企業や家計のマインドが、消費の勢いに大きく影響します。
これからの視線:データをどう読み解くか
11月のデータは、「急加速ではないが、安定した成長」が続いている姿を映し出しています。工業、サービス、消費がそろってプラスを維持していることは、経済運営にとって一定の安心材料と言えます。
今後発表される12月や2026年以降のデータが、今回の傾向を一時的なものにとどめるのか、それとも新たな成長パターンとして定着させるのかを見極めるカギとなりそうです。
Reference(s):
China's economic performance shows steady progress in November
cgtn.com








