中国本土の洋上風力が「沖合80km超」へ──最遠級風力発電所が全面稼働 video poster
中国本土で、海岸から80km以上離れた地点に建設された「最遠級」の洋上風力発電所が、全面的にオンライン化し、現在フル稼働に入っています。発電量やCO₂削減効果の規模が示され、再生可能エネルギーの“設置場所の限界”が静かに押し広げられています。
何が起きた?——「沖合80km超」で全面稼働
今回のポイントは距離です。海岸線から80km以上という沖合に立地しながら、風力発電所が全面稼働に到達したことが伝えられました。洋上風力は一般に、海底地形、送電、施工・保守の難易度が距離とともに上がるため、「どこまで沖に出られるか」は技術と運用の総合力を映す指標になりがちです。
数字で見るインパクト:年間発電2.8億kWh超
公表された年間の見込みは、次の通りです。
- 年間発電量:28億kWh超
- 供給規模:約140万世帯の電力需要を賄う想定
- 石炭削減:86万トン相当
- CO₂削減:237万トン
「発電量→世帯数」「石炭削減→CO₂削減」と、生活実感や気候影響に置き換えた指標が並ぶのが特徴です。数字はそのまま、電源構成の転換が“実際の電力”と“排出量”の両面で測られていることを示しています。
なぜ今このニュースが重要なのか
2025年12月現在、再生可能エネルギーは導入量だけでなく、安定供給と運用が強く問われています。沖合80km超の洋上風力が「建設できた」だけでなく「全面稼働に乗った」という点は、設備の大型化だけでは測れない、送電・保守・稼働率といった運用面の前進を想起させます。
また、風況(風の強さ・安定性)が良い海域を活用できれば、発電の総量や季節変動の見え方も変わります。地上や沿岸近くでの用地制約が議論になりやすい中で、「沖へ出る」選択肢が現実味を帯びてきた、という読み方もできます。
“遠い洋上”が増えると何が変わる?——静かな論点整理
距離が伸びるほど、期待と同時に論点も増えます。今回の事例は、次の問いを投げかけます。
- 送電:沖合の電力をどう運び、損失やコストをどう抑えるのか
- 保守:荒天時のアクセス、部品交換、点検の計画をどう最適化するのか
- 発電の確実性:年間発電見込みを実績として積み上げられるか
- 脱炭素の測り方:石炭削減・CO₂削減の数値を、どの指標で継続的に示すのか
「遠くまで行けるようになった」こと自体は分かりやすい進歩ですが、本当の意味での前進は、そこで得た電力を日常の電力システムに無理なく組み込み、長期で回し続けられるかにあります。
今回の全面稼働は、その長期戦の入口であり、同時に“沖合へ”という潮流を現実の数字で語る材料にもなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








