日銀12月会合、政策金利0.75%へ?「30年ぶりの大幅利上げ」観測と慎重論
日銀の12月金融政策決定会合(2日間)が大詰めを迎え、あす12月19日(金)の決定に市場の視線が集まっています。食料品価格の高止まりでインフレ率が2%目標を約4年にわたり上回るなか、短期金利を0.5%から0.75%へ引き上げるとの見方が広がる一方、「利上げが早すぎる」との警戒も強まっています。
何が起きているのか:0.75%への利上げ観測
報道によると、日銀は12月会合の結論として、短期金利を0.5%から0.75%へ引き上げる可能性が取り沙汰されています。実現すれば、30年ぶりの大幅な利上げになると見られています。
利上げは、粘着的なインフレへの対応(物価安定の達成)という文脈で語られやすい一方、企業収益や賃上げ、為替(円相場)にも波及しうるため、判断の重みが増しています。
背景:食料品の高止まりで「2%超」が長期化
今回の議論の土台にあるのは、食料品を中心とした価格上昇が続き、インフレ率が日銀の2%目標をほぼ4年にわたって上回っているという状況です。物価が上がり続ける局面では、金融を引き締めて過熱を抑える発想が強まります。
ただし、利上げは物価だけでなく、借入コストや設備投資、家計のローン金利などにも影響します。つまり「インフレに対応する一手」であると同時に、「景気の足取りを鈍らせるリスク」も伴います。
慎重論:若田部元副総裁「利上げが早すぎることは避けるべき」
政府の経済政策の中枢に近い経済会議メンバーでもある若田部昌澄・日銀元副総裁は、パネルの場で利上げを急ぐべきではないとの趣旨で警鐘を鳴らしました。
一方で若田部氏は、「日本の中立金利(景気を過熱も冷やしもしない金利水準)が上昇した結果として利上げが必要になるなら、それは自然だ」とも述べています。ポイントは、単に“上げる・上げない”ではなく、経済の基礎体力や金利の妥当な水準をどう見極めるかにあります。
現場の懸念:賃上げ余力と、円高がもたらす「心理」の変化
企業サイドからも警戒の声が出ています。自動車産業の労組トップは、基準金利が上がることで来年度の賃上げ余力が制約される可能性に言及しました。
また、Japan Timesによると、自動車総連の金子晃浩会長は今週火曜日のインタビューで、あすの決定後に円が急騰(急激な円高)すれば企業心理に影響しうると述べています。輸出企業にとって円高は採算の重しになりやすく、想定していた利益が目減りすれば、賃上げの原資にも波及しかねません。
ただし同氏は、為替の動きが「急激」ではなく「適度」であれば企業は適応できるとも述べており、焦点は利上げそのものよりも、利上げが呼び込む市場の振れ(ボラティリティ)にあります。
市場が注目するのは「次の数カ月、どれだけ速く進むのか」
今回の利上げ観測は、インフレ対策の一歩として注目される一方で、政策当局内外の見方の違い——慎重に進めたい勢力と、追加の引き締めを織り込み始める市場——を浮かび上がらせています。
あす19日の焦点は、利上げの有無だけではありません。市場が読み取りたいのは、次の数カ月で日銀が「どこまで」「どの速度で」動くのかという手がかりです。
チェックポイント(あすの発表で見られそうな点)
- 利上げの決定:0.75%への引き上げが行われるか
- メッセージのトーン:追加利上げに前向きか、慎重姿勢を強めるか
- 円相場の反応:急激な円高が起きるか、落ち着いた動きにとどまるか
- 賃上げ・企業行動への言及:賃金と物価の好循環をどう評価するか
インフレを抑える金融政策と、賃上げを含む成長の手触り。その両方を同時に損なわない「速度調整」が、あすの会合結果を読む鍵になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








