中国本土ETF市場が2025年に急拡大、運用残高5.78兆元で過去最高
中国本土のETF(上場投資信託)市場が2025年に入り急伸し、12月19日時点で運用残高が5.78兆元に到達しました。個人投資家の参加拡大に加え、制度面の後押しも重なり、資本市場の「お金の流れ」が変わりつつある点が注目されています。
2025年は年初来で+53%超、わずか4カ月で「4兆元→5兆元」
金融情報ベンダーWindのデータによると、12月19日時点で中国本土のオンショアETFの総規模は年初来で2兆元以上増え、増加率は53%を超えました。
伸びのスピードも際立っています。2025年には、ETF残高が4兆元から5兆元へ増えるまでに要した期間がわずか4カ月。一方で、ゼロから最初の1兆元に到達するまでには14年かかったとされ、普及フェーズが明確に変わったことを示しています。
なぜETFが選ばれるのか:個人投資家にとっての「一括アクセス」
背景のひとつが、個人投資家にとっての使い勝手の良さです。中国証券のチーフアナリスト、姚子維氏は、ETFの利点として次の点を挙げています。
- 特定セクターの主要銘柄に「ワンクリック」で分散投資できる
- 個別株選定に伴う調査コストや難しさを抑えられる
値動きの激しい局面ほど、個別株よりも「まとまり」で投資したい需要が強まりやすい、という見方も市場では意識されています。
政策面の追い風:昨年の「9項目ガイドライン」とETFの迅速審査
制度面でも追い風が続きました。中国は昨年(2024年)、資本市場の長期的な発展に向けた9項目のガイドラインを打ち出し、その中にはETFの迅速審査(ファストトラック)に関する内容も含まれています。
商品供給が増えやすい環境が整うことで、個人投資家の需要と新商品の投入がかみ合い、市場拡大が加速した構図が見えてきます。
ETFだけではない:FOF(ファンド・オブ・ファンズ)も「資金流入」が加速
2025年の拡大はETFに限りません。FOF(複数の投資信託に分散投資する仕組みのファンド)も大きく伸びました。
- 12月17日時点で、2025年に新規設定されたFOFは79本
- 調達額は合計803.5億元
- この1年の調達額が、直近3年分の合計を上回った
商品性は異なるものの、「分散」と「長期資金」を軸にした運用への関心が、複数の器(ETF/FOF)に広がった一年だったと言えます。
2025年のキーワードはテクノロジー:長期資金が“ハードテック”へ
業界動向としては、ETFとFOFの双方が2025年にテクノロジー領域への重点配分を強め、いわゆるハードテック分野に長期資金を振り向ける動きが加速したとされています。イノベーションや産業高度化の資金導管として、指数連動型商品が存在感を増している格好です。
また、アナリストらは、こうした商品を通じた継続的な機関投資家の資金流入が、市場の変動を抑え、より成熟した投資環境づくりにつながる可能性があると指摘しています。
具体例として姚氏は、STAR 50 ETF(STAR市場の主要50銘柄に連動するETF)に触れ、個人投資家が成長分野へアクセスしやすくなるだけでなく、STAR市場(科創板)にとっても安定化と長期資金の供給源になり得る、という見方を示しました。
年末時点で見えてきた論点:2026年は「拡大の質」が問われる
2025年末(本日12月24日時点)の時点で、ETFとFOFは量的拡大が強く印象づけられました。来年(2026年)に向けては、資金がどのセクターに向かい、どの投資家層が主導し、どのようにリスク管理と市場安定に結びつくのか――「拡大の質」に視線が移りそうです。
Reference(s):
China's ETF market surges over 50% in 2025, hitting record high
cgtn.com








