人民元は2026年「安定しつつ緩やかに上昇」か 7.0元台回復で市場心理に変化
人民元(CNY)が今週、1米ドル=7.0元の節目を一時上回ったことを受け、複数の金融機関が2026年は低い変動(低ボラティリティ)と緩やかな上昇基調になるとの見方を示しています。年末を迎える2025年の為替市場で、投資家のセンチメント(市場心理)が変わりつつある、というのが今回のポイントです。
今週の動き:人民元が一時「7.0元の壁」を越える
報道によると、人民元は今週木曜日に、対米ドルで一時7.0元台を回復しました。短期の値動きそのものよりも、「方向感が出てきた」と受け止める参加者が増えたことが、市場の空気の変化として注目されています。
2026年の見通し:「低変動+じわり上昇」を予想する声
複数のグローバル金融機関は、2026年の人民元相場について、大きく振れにくい一方で、徐々に値を上げるというシナリオを描いています。背景にあるのは、金融政策の見通しや資金フロー(資金の出入り)に対する見方の変化です。
ING:「中国人民銀行は安定化の意思と能力を示した」
グローバル金融サービス大手のINGは、中国人民銀行(PBOC)が相場の安定に向けて、強い意思と実行力を示してきたと指摘しました。
INGは2025年の状況について、「2025年、PBOCは大きな市場ストレスの中でも通貨の安定を維持する決意だけでなく、その能力も示した」と述べ、政策の信認(信頼感)が人民元の「アンカー(錨)」として機能している、という見方を示しています。
中国本土の証券会社:今回の上昇は“始まり”の可能性
中国本土のブローカー(証券会社)も、比較的前向きな見方です。Industrial Securitiesは、人民元の直近の上昇局面について、これから本格化する可能性があると分析しています。
材料として挙げたのは、主に次の3点です。
- 米連邦準備制度(FRB)がより緩和的(ハト派)に傾くとの見方
- 中米の金利差が縮小する方向
- これまで流出していた資金が徐々に戻る動き
さらに同社は、足元の上昇が「ドル安に引っ張られた受け身の動き」だけではなく、資金流入や外貨の人民元転(外貨の換金)需要の増加といった内部要因も反映している、との見立てを示しました。
「安定」と「上昇」を両立させるカギはどこにある?
2026年に向けて注目されるのは、相場の方向感そのものに加え、変動を小さく保ちながら、どのようにトレンドが形成されるかです。今回の材料から整理すると、焦点は次のようにまとめられます。
- 金融政策の信認:当局のスタンスが市場の安心材料になり得るか
- 米国側の金融環境:FRBの姿勢変化が金利差とドル需給にどう影響するか
- 資金フロー:流出入の方向が、為替の“じわり”に直結する
- 外貨の換金需要:企業・投資家の行動変化が、需給を通じて相場に表れやすい
まとめ:年末の節目で見えた「センチメントの転換点」
2025年の年末にかけて、人民元が一時7.0元台を回復したことは、単なるテクニカルな節目以上に、市場心理の変化を映す出来事として語られています。2026年は「大きく荒れずに、ゆっくり強含む」という見通しがどこまで現実味を帯びるのか。金融政策、金利差、資金の流れという3つの要素が、静かに相場を形づくっていきそうです。
Reference(s):
Chinese yuan stable with upside bias in 2026: Global institutions
cgtn.com








