2026年を展望:人民元高を支える「4つの柱」とは
2025年4月以降、人民元(RMB)の対米ドル相場は下落基調から反転し、足元では「1米ドル=7人民元」の節目を割り込む場面も出てきました。2026年に向けて、人民元高(ドル安・元高)を後押しし得る要因として、主に4つの論点が挙げられています。
いま起きていること:人民元は「反転局面」に入ったのか
焦点は、2025年に見られた人民元の戻り(反発)が一時的な値動きなのか、それとも2026年にかけて流れが続くのかです。為替は金利差や景気だけでなく、貿易・資本移動・投資家心理など複数の要素で動くため、「どの材料が積み上がっているか」を整理して見る必要があります。
人民元高を支える「4つの柱」
1)経常収支黒字の拡大:貿易・サービスの差し引きが追い風に
まず挙げられるのが、経常収支黒字の拡大です。経常収支は、モノやサービスの取引、投資収益のやり取りを合算した「国としての外貨の出入り」を映す指標です。
黒字が続き、さらに拡大する局面では、外貨を人民元に替える流れが相対的に強まりやすいとされます。2026年に向けてもこの黒字基調が強まるなら、人民元の下支え材料として意識されやすくなります。
2)貿易摩擦の緩和:不確実性が薄れると為替の重しが軽くなる
次に、貿易をめぐる対立や摩擦の緩和です。貿易環境が落ち着くと、企業は調達・投資・輸出入の見通しを立てやすくなり、通貨に乗りやすい「不安定さ(リスクプレミアム)」が小さくなることがあります。
摩擦が和らぐほど、為替は経済の基礎条件(ファンダメンタルズ)に沿って動きやすくなり、人民元にとっては追い風になり得ます。
3)購買力で見た割安感:"実力"と"市場価格"のギャップ
3つ目は、人民元が購買力(同じモノやサービスをどれだけ買えるか)で見て割安だ、という見立てです。為替レートは短期的には金利や資金の流れに左右されますが、長い目では「物価水準の違い」も意識されます。
市場レートが購買力で見た水準よりも弱めにあると考えられる場合、時間をかけてギャップが縮む(=通貨高方向に調整する)可能性がある、という捉え方につながります。
4)米ドルの下落余地:ドル安が進めば相対的に元高になりやすい
最後は、米ドルが今後も下落(ドル安)し得るという観点です。為替は相対価格なので、仮に米ドルが弱含めば、人民元は対米ドルで上がりやすくなります。
2026年を見据えるうえでは、米国の金融環境やドルの需給がどう変化するかが、人民元相場の「外側の風向き」として注目点になります。
2026年に向けての見どころ:4要因は同時に効くのか
4つの柱は、それぞれ単独でも材料になりますが、同時に強まるほど市場の見方は傾きやすくなります。逆に言えば、どれかが弱まると「柱の数」が減り、相場の勢いが鈍る可能性もあります。
- 経常黒字は拡大が続くのか
- 貿易摩擦は緩和基調が保たれるのか
- 購買力の割安感は市場で再評価されるのか
- 米ドルは下落基調が続くのか
日常への影響:為替は「輸入価格」と「企業収益」に静かに効く
人民元高が進む局面では、ドル建てで取引されやすい資源・部材の輸入コストの見え方が変わったり、中国本土と取引する企業の採算や価格設定に影響が出たりします。為替はニュースとして派手に見えにくい一方で、企業活動や物価の手触りに、遅れて波紋が広がることがあります。
2025年末時点で見えてきた「反転」の動きが、2026年にどこまで持続するのか。4つの柱がどの程度そろうのかが、次の焦点になりそうです。
Reference(s):
Looking ahead to 2026: Four pillars supporting RMB appreciation
cgtn.com








