新疆で750kV送電網が完成、「七つの内ループ」整備で電力の要に video poster
中国本土の新疆ウイグル自治区で、クチャ(庫車)―アルタイ(阿勒泰)―バチュ(巴楚)を結ぶ「750kVプロジェクト」が完成し、域内の超高圧送電網「七つの内ループ」が出そろいました。2025年末(第14次五カ年計画〈2021〜2025年〉の期間)に到達したこの節目は、広大な地域の電力の安定供給と、今後の産業・経済の下支えという点で注目されています。
何が完成したのか:クチャ―アルタイ―バチュの750kVプロジェクト
今回完成したのは、750kV(キロボルト)の超高圧送電インフラを結ぶ大規模プロジェクトです。これにより、新疆の基幹送電網の“輪”を内側で閉じる「七つの内ループ」が最終形になり、送電ルートの選択肢(迂回・融通)が増える形になります。
「七つの内ループ、五つの外チャネル」—電力網の骨格が見える化
発表された枠組みは「七つの内ループ、五つの外チャネル」。言い換えると、域内はループ状に連結して融通を利かせつつ、域外へ向かう複数の“出口”も備える設計です。電力網では、線でつなぐだけでなく、複線化や環状化によって、事故や保守時のリスクを下げやすくなります。
- 内ループ:域内の主要地点を輪で結び、系統の柔軟性を高める
- 外チャネル:域外との連系を意識した通路として、供給・融通の幅を広げる
カバー面積160万平方キロへ:信頼性の強化が意味すること
この整備により、新疆の電力網はカバー面積で「中国本土最大級の省級電力網」になるとされています。対象となる面積は160万平方キロメートル超。地域が広いほど、需要地と電源地の距離が伸びやすく、送電網の強さ(冗長性や運用のしやすさ)が安定供給に直結します。
送電網が強くなると、日常的には次のような変化が起きやすくなります。
- 設備点検や不測のトラブル時でも、電力を別ルートで回しやすい
- 需要の増減に合わせた調整(融通)がしやすくなる
- 地域間で電力の“偏り”が出た際の吸収力が上がる
地域経済への波及:インフラが「次の投資判断」を変える
電力は、工業・物流・データ関連など幅広い分野の土台です。今回の節目は、企業や自治体が「安定的に電力を使えるか」を見積もる際の前提条件を更新し、結果として地域の成長戦略の選択肢を広げる可能性があります。
一方で、送電網が整うほど、運用面では需給調整や設備保全、広域連系のルール設計など“見えにくい仕事”の重要性も増します。大規模化した系統をどう滑らかに動かすのか——インフラ完成の先にある論点として残ります。
2025年末の到達点:第14次五カ年計画の締めくくりとして
今回の完成は、第14次五カ年計画(2021〜2025年)の期間中に達成されたマイルストーンと位置づけられています。年末の時点で骨格が固まったことで、今後は「つなぐ」段階から「使いこなす」段階へ、関心が移っていきそうです。
広大な地域を支える電力網は、地図上の線だけでは語れません。どの地点の需要が伸び、どんな産業が増え、どのルールで融通していくのか。完成のニュースは、その“次の更新”を静かに促しているようにも見えます。
Reference(s):
750 kV grid completion makes China's Xinjiang an electric powerhouse
cgtn.com








