UAEドバイで金価格急騰、スマホで「金ギフト」広がる背景
2026年の年明け、UAE(アラブ首長国連邦)ドバイでは新年の祝い方が多様化するなか、オンラインで「金(ゴールド)を贈る」動きが広がっています。背景にあるのは、2025年にかけての金価格の急騰と、少額から金を保有できるアプリの浸透です。
2025年に金価格が「70%超」上昇、買い手の裾野が拡大
UAEでの金価格は2025年に大きく上昇しました。24K金の価格は、2025年1月1日時点で1グラム318ディルハム(約86.6ドル)でしたが、年末にかけて一時540ディルハムまで上がったとされています(上昇率は70%超)。
価格が上がる局面は、購入のハードルが上がる一方で、「資産の一部を金で持ちたい」という関心を強めやすい面もあります。実際、オンライン投資の入口として金に目を向ける人が増えている、という声も出ています。
「スマホで金を贈る」O Goldの新機能が新年需要に
UAEで分割(少額)で金を保有できるモバイルアプリ「O Gold」は、スマートフォンから金をギフトとして送れる機能を新たに提供しました。新年のお祝いの時期と重なり、オンラインでの贈答の選択肢として注目されています。
同社の最高執行責任者(COO)アリー・アブド氏は、金価格の上昇を背景に金の保有ニーズが高まり、市場に入ってくる投資家が増えているとの見方を示しています。アプリは提供開始から約1年でユーザー数が80万人に達し、UAE人口のおよそ8%に相当するといいます。
次の一手は「金での直接決済」──流動性とインフレ対策の文脈
O Goldは今後、金による直接決済の導入も計画しているとしています。金を「保有する資産」から「使える資産」へ近づける設計で、金の流動性(換金・利用のしやすさ)を高めたい狙いです。
同社は、インフレや通貨価値の目減りへの備え(ヘッジ)という文脈も掲げています。もっとも、金は価格変動があるため、生活の支払いと結びつくほど、利便性だけでなく価格変動時の受け止め方も問われそうです。
オンラインだけではない:宝飾店は「軽量化」と「分割払い」で対応
金価格の急騰は、オンライン投資だけでなく、街の宝飾店にも影響を与えています。UAEでは金のジュエリーが住民の暮らしの中で大きな存在感を持つ一方、価格上昇は購入の負担になりやすいからです。
現地宝飾店「Al Haseena Jewellery」のマーケティングマネジャー、ムハンマド・アブドゥル・カディール氏は、価格上昇局面でジュエリーの重量を抑える戦略に切り替え、顧客の購入しやすさを高めたと説明しています。この戦略は奏功したとのことです。
さらに、分割払い(割賦)の条件を手厚くするなど、買い手の資金負担をならす工夫も広がっています。同店では、取引される金の量が減ったにもかかわらず、こうした取り組みにより週次売上が前年水準に並んだといいます。
「価格高騰」と「新しい買い方」が同時に進む街で起きていること
今回の動きは、金価格の上昇というマクロな変化に対して、
- アプリが少額保有とギフト機能で参加の敷居を下げる
- 宝飾店が軽量化や分割払いで購入体験を調整する
という、オンラインとオフライン双方の「適応」が同時に進んでいる点が特徴です。新年の華やぎの裏側で、資産防衛と消費のバランスをどう取るかという、静かな現実が透けて見えます。
Reference(s):
Surging gold price promotes more buyers entering the market in UAE
cgtn.com








