円安進行、ドル円は上向き優勢か 日経平均は最高値圏に接近
2026年1月上旬、外国為替市場では円が対ドルで下落基調となり、株式市場では日経平均株価(Nikkei 225)が史上最高値圏に近づいています。市場が地政学的なニュースを大きくはリスク回避につなげず、今週は米国の雇用関連指標がドル円の方向感を左右しそうです。
地政学リスクがあっても「リスク選好」は崩れず
週末にベネズエラをめぐる大きな見出しが出た後、2026年最初の本格的な取引週はドルがやや優勢に始まりました。一方で、相場全体の反応は限定的で、ユーロやスイスフランが軟化する場面がある一方、金・銀や株式は上昇しました。
原油は値動きが荒く、供給増への懸念などを背景に上下した後、米国のドナルド・トランプ大統領が「ベネズエラ産原油(最大5000万バレル)を米国が管理し得る」と示唆したことも意識され、軟化する場面がありました。ただ、全体としては防御的な動きが広がったというより、「当面の不確実性」と「中長期の影響」を秤にかける落ち着いた反応にとどまっています。
このため、より踏み込んだ米国の関与や、グリーンランドに関連する軍事行動といった“次の展開”がない限り、短期的にはリスク選好の地合いが維持され、ドル円(USD/JPY)を下支えしやすい、という見立ても出ています。
今週の焦点は米雇用データ:FRBの利下げ観測に直結
市場の関心は、今週予定されている一連の米雇用関連指標に戻っています。雇用が強ければ、利下げ期待の後退を通じてドルを支え、ドル円の上昇圧力になり得ます。
足元では、米連邦準備制度(FRB)の利下げがある程度織り込まれている一方、指標次第では見通しが修正されやすい局面です。市場では現時点で、次の25bp(0.25%)利下げを「6月まで完全には織り込んでいない」とされ、2回目は「9月」と見られています。雇用指標が堅調なら、こうした見方が後ろ倒しになる可能性があります。
米景気は弱材料もあるが、2025年末の強さが残る
年初の米マクロ指標は力強い一色ではなく、今週のISM製造業景況指数は弱めでした。ただし、2025年末にかけては新規失業保険申請件数、住宅関連、GDPなどに上振れが見られ、2025年Q3の成長率は年率4.3%へ上方改定(市場予想3.3%を上回る)されたとされています。景気が底堅いなら、利下げを急ぐ必然性は小さくなります。
円が重い背景:日銀・政府の「明確なけん制不足」も意識
円については、日銀や日本政府から意味のある反応が乏しいとの見方もあり、目先は売られやすい地合いが続いているとされます。リスク回避の局面では円が買われやすい一方、現状は市場心理が大きく冷え込んでいないため、円買いが入りにくい構図です。
テクニカルで見るドル円:157円台の押し目でも、上方向が優勢
テクニカル面では、今週157.00近辺からの反落があったものの、「上方向が優勢」との見方が示されています。注目されるポイントは次の通りです。
- 上値の節目:158.00付近(2025年11月に158.00手前で上昇が止まった経緯)
- 意識されやすい高値:2025年1月の高値158.88(この水準を更新できるか)
- 弱気材料:2025年の高値を明確に更新できていない点
株高(日本株では日経平均が最高値圏へ接近)と円安が同時に進む局面では、短期のニュースよりも、金融政策見通しと雇用データが相場の“主役”になりやすいのが特徴です。今週の米雇用指標が、ドル円と株式のムードをどう動かすのかが焦点になっています。
ポイントまとめ
- 地政学の見出しがあっても、市場の反応は総じて落ち着いている
- 今週は米雇用データがドル円の方向感を左右しやすい
- 円は「政策当局の明確なけん制不足」もあり、重さが意識されている
- ドル円は157円台の押し目後も、テクニカルには上方向優勢との見方
Reference(s):
cgtn.com








