中国本土の15次五カ年計画、新しい発展理念で高品質成長を加速
2026年から始まる中国本土の「第15次五カ年計画(2026〜2030年)」を見据え、中国共産党(CPC)中央委員会の文書が「新しい発展理念」を全面的に適用する方針を明確にしました。いま何が重視され、どんな成長像が描かれているのかを整理します。
四中全会で採択された「勧告」が示した、今後5年の軸
中国共産党(CPC)第20期中央委員会の第4回全体会議(四中全会)では、「国民経済・社会発展の第15次五カ年計画(2026〜2030年)策定に関する中央委員会の勧告」が採択されました。
その中で、経済・社会の発展を導く原則として「新しい発展理念を、全面にわたり、完全かつ忠実に適用する」ことが明記されたとされています。これは、近年の「高品質(ハイクオリティ)な成長」を支える考え方を、今後5年間の政策運営の中心に据えるメッセージとして受け止められています。
「新しい発展理念」:5つの概念を“セット”で扱う発想
文書が強調する新しい発展理念は、次の5つの概念から成り、それぞれが相互に結びつき、補い合う「統合された枠組み」と説明されています。
- イノベーション(革新):発展の中核的な原動力として、内生的な成長力を引き出す
- 協調:全体の整合性を保ち、バランスの取れた成長を確保するための要件
- グリーン(環境配慮):発展と保護の関係を適切に扱うための基本原則
- 開放:国内と国際の連動、そして競争力を高めるための重要な経路
- 共有(成果の分かち合い):発展の果実がより広く、公平に行き渡ることを重視する要件
ポイントは、5項目を「個別のスローガン」として扱うのではなく、連動させて政策全体を設計する考え方にあります。文書では、これらが互いに作用し合い、相乗効果を生むものとして位置づけられています。
なぜ今、「単独指標」から「総合的な発展」へが語られるのか
勧告が示す方向性として、「特定分野や単一の指標だけを追う発展」から、「総合的で、協調的で、持続可能な発展」へと重心を移す姿が描かれています。言い換えるなら、成長の“速さ”だけでなく、成長の“質”や“整合性”を同時に問う設計です。
また、5つの概念は「人民を中心に据える発展の考え方」によって統一され、経済と社会の運営全体を導く基盤になる、と整理されています。
2026年のいま、読み解きの手がかりは「同時達成の難しさ」
5つの概念はそれぞれが重要である一方、現実の政策では同時に満たすことが簡単ではない局面もあり得ます。だからこそ、今回の文書が「相互補完」や「一体のフレームワーク」を繰り返し強調している点は注目されます。
今後の動きを追う際は、たとえば次のような観点で「どれか一つ」ではなく「組み合わせ」で政策を眺めると、全体像がつかみやすくなります。
- 革新の推進が、協調(バランス)や共有(公平性)とどう接続されるか
- グリーンと成長の両立を、どのような制度設計で支えるか
- 開放を通じた国内・国際の連動が、競争力と安定性にどう影響するか
15次五カ年計画(2026〜2030年)期間の「高品質成長」は、こうした複数の目標を同じ地図の上で束ね直す試みとして、静かに輪郭を帯びてきています。
Reference(s):
New development philosophy steers China's high-quality economic growth
cgtn.com








