WEF、2026年の最大リスクに「地経学的対立」—貿易と技術競争が前面へ
世界経済フォーラム(WEF)がこのほど公表した「2026年グローバルリスク報告書」で、短期(今後2年)の最重要リスクとして「地経学的対立(geoeconomic confrontation)」が挙げられました。戦略的な競争、貿易摩擦、技術をめぐる競争が、世界の見通しを塗り替えつつある—という警告です。
何が起きた?—WEFが示した“短期トップ”
WEFは今週水曜日、2026年に向けた短期の世界的リスクとして「地経学的対立」が最も深刻だと指摘しました。報告書では、地経学的対立が短期リスクの順位で前年から8つ上昇し、全カテゴリの中でも最も大きな上げ幅になったとされています。
数字で見るポイント:18%が「2026年の危機の引き金」と回答
報告書によると、回答者のうち18%が「地経学的対立」を、2026年に世界的危機を引き起こし得るリスクとして最も可能性が高いものに挙げました。
「地経学的対立」とは何か—経済が“交渉カード”になる時代
地経学的対立は、軍事だけでなく、経済政策や貿易、投資、技術、サプライチェーン(供給網)などが、国家間の競争や交渉の手段として前面に出てくる状況を指します。報告書が強調したのは、次の3つが同時に進みやすいという見立てです。
- 戦略的な対立の深まり:経済関係が政治・安全保障と切り離しにくくなる
- 貿易摩擦の増加:関税・輸出入規制などで企業の計画が立てにくくなる
- 技術競争の激化:重要技術やデータの扱いが、競争力と安全保障の両面で争点になる
私たちの生活にどう響く?—価格、調達、デジタル体験の“揺れ”
地経学的対立が強まると、ニュースの見出しだけでなく、暮らしの実感にも波が出やすくなります。例えば、
- モノの価格:調達先の変更や追加コストが、販売価格に転嫁されやすい
- 供給の不安定さ:部品や原材料の入手が遅れ、発売時期や在庫が読みにくい
- テクノロジーの分断:サービスや規制が地域ごとに変わり、同じ体験ができない場面が増える
「関税」や「輸出規制」といった言葉が、企業ニュースだけでなく日常の選択(買う・待つ・代替する)にまで入り込んでくる—そんな局面を想定しておくと、ニュースの見え方が少し変わります。
2026年の見取り図:注目したい“次の一手”
WEFが最大リスクとして位置づけた以上、2026年は「対立そのもの」だけでなく、対立が生む連鎖に目が向きます。今後の観測点としては、
- 貿易・投資のルール変更が、どの分野から先に波及するのか
- 重要技術をめぐる競争が、企業の提携や市場の形をどう変えるのか
- サプライチェーン再編が、コストと安定性のどちらに重心を置くのか
地経学的対立は「突然の事件」というより、日々の政策判断や企業行動が積み重なって、ある時点で景色を変えるタイプのリスクです。2026年は、その変化が“短期リスクの筆頭”として意識される局面に入った、というのが今回の報告書のメッセージだと言えそうです。
Reference(s):
cgtn.com








