湾岸で加速するエネルギー転換 アブダビ未来エネルギー会議2026の熱気
湾岸地域のエネルギー転換が、会議の熱量と具体的な数字で可視化されました。UAE(アラブ首長国連邦)アブダビで開催された「Future Energy World Summit 2026」は、2026年1月15日(木)に閉幕。世界から5万人超が来場し、脱炭素と産業戦略を同時に進める地域の“次の一手”が注目を集めました。
会議が映した「新エネルギー中心」への明確なシフト
会議では、湾岸各国の国家エネルギー戦略が「新エネルギー」を軸に組み直されていることが強調されました。原油・天然ガスの産地として知られる一方で、風と太陽を将来の燃料と位置づける動きが、政策と投資の両面で前に進んでいます。
国別に見る:サウジ・UAE・オマーンのロードマップ
提示された方向性は似ていても、目標の置き方と打ち手は少しずつ異なります。
- サウジアラビア:今から4年後(2030年)に向け、天然ガスと再生可能エネルギーを「50対50」にする目標へ加速。
- UAE:「Net Zero 2050」イニシアチブを軸に、脱炭素の取り組みをいっそう強化。
- オマーン:2040年ビジョンに向け、世界的な拠点(ハブ)としての地位確立を狙い、着実に歩みを進める。
ドバイの太陽光計画:2030年に8000MW超、排出8.5百万トン削減へ
地域の「前のめり」を象徴する事例として挙げられたのが、UAEドバイのモハメド・ビン・ラシッド・アル・マクトゥーム太陽光発電パークです。現地のシニアエンジニア、アリ・アル・カヤット氏は、計画がドバイの新エネルギー比率を大きく押し上げると説明しました。
- 2030年の完成時:発電容量は8000メガワット超へ
- 年間のCO2排出削減:850万トン
- クリーンエネルギー比率:ドバイのクリーンエネルギー能力を36%まで引き上げる見通し
数字が示すのは、理念だけでなく、電源構成そのものを変える「実装段階」に入っているという事実です。
「気候」だけではない:エネルギー転換は“経済の生存戦略”に
国際再生可能エネルギー機関(IRENA)のフランチェスコ・ラ・カメラ事務局長は、湾岸地域が今世紀半ば(2050年ごろ)にネットゼロを目指す流れの中で、エネルギー転換目標の達成に取り組んでいると述べました。また、この分野における中国の重要な役割にも言及しています。
印象的なのは、エネルギー転換が「気候変動対策」から一歩進み、経済の持続性(サバイバル)の問題として語られている点です。記事で紹介された見立てでは、原材料から最終的な技術までサプライチェーン全体を地域内で整備(ローカライズ)することで、原油・天然ガスへの依存を分散させようとしています。
いま何が起きているのか:要点を一枚で
- 湾岸のエネルギー戦略は「新エネルギー重視」へ一段と明確化
- 大型太陽光のように、完成年・発電容量・削減量が具体的に示され始めた
- ネットゼロは環境目標であると同時に、産業政策・雇用・投資の設計図になっている
- 風と太陽が「未来の燃料」として、世界のエネルギー地図を塗り替えつつある
会議から伝わってくるメッセージは単純です。湾岸地域は、資源国としての強みを土台にしながら、次の時代の競争軸を“電源”だけでなく“産業の作り方”へ広げています。2030年や2050年といった節目に向け、計画がどこまで実際の供給力と産業集積に結びつくのかが、今後の焦点になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








