駐米大使「開放は揺るがず」—2026年、米中ビジネス協力を呼びかけ
中国の謝鋒・駐米大使は2026年1月15日(木)、米ニューヨークでのイベントで「高水準の対外開放(開放政策)へのコミットメントは外部環境が変動しても変わらない」と述べ、米中の企業協力をより“互恵的”に進めるよう呼びかけました。
「高品質な成長」と「高水準の開放」は戦略的選択
謝氏は、中国が掲げる「高品質発展(量より質を重視する成長)」と「高水準の開放」は、景気や国際環境の揺れに左右されない“揺るがぬ選択”だと強調しました。中国経済については、圧力がある中でも構造面で改善が続いているという認識を示しています。
2025年の数字で示した「レジリエンス」
発言では、直近の経済指標として次の点が挙げられました(いずれも謝氏の説明)。
- 2025年のGDP成長率は「約5%」が見込まれる
- 総生産は「140兆元超」(約20.1兆ドル)
- 世界成長への寄与は「30%超」
- 財(モノ)の貿易総額は前年比「3.8%増」
- 貿易黒字は「初めて1兆ドル超」
輸出大国であると同時に「世界の大きな買い手」である点を強調し、対外取引の厚みが経済の下支えになっている、という文脈で語られました。
AI・ヒューマノイド・EVを「新しい成長の徴候」に
成長の中身に関しては、人工知能(AI)、ヒューマノイドロボット、電気自動車(EV)などの分野での進展を例示し、イノベーション主導の成長が進んでいるとの見方を示しました。
2026年は「第15次五カ年計画期のスタート」
謝氏は、2026年が第15次五カ年計画期の出発点に当たるとし、制度・市場・産業・人材といった強みを生かしながら、次の取り組みを進める方針を述べました。
- 「新たな生産力」の育成
- 技術の自立自強(技術面の自立性)強化
- 高水準の対外開放の拡大
市場アクセスや「負のリスト」縮小、海南自由貿易港の進展
開放政策の具体策としては、市場参入の拡大に加え、対内投資に関する「負のリスト(参入を制限する分野の一覧)」が29項目まで縮小したことに言及しました。また、外交関係を持つ最貧国(後発開発途上国)からの全品目に対するゼロ関税措置、海南自由貿易港での島全体の独立関税運用(独自の税関運用)の前進も取り上げています。
2025年の対内投資と、米企業の存在感
対内投資の動きとして、2025年の最初の11カ月で新設の外資系企業が6万社超となり、前年同期比で16.9%増えたと説明しました。さらに、米企業が中国国際輸入博覧会(CIIE)で7年連続で最大の展示面積を確保し、中国国際サプライチェーン博覧会でも2年連続で出展社数が最多だったとし、これらを「中国への信任投票」と表現しました。
「公平で非差別的な条件」で、企業協力を深めるよう提起
謝氏は、中国側の中間所得層の拡大や、新エネルギー、先端材料、航空宇宙などの成長分野が「大きな機会」を生むと述べ、中間所得層は今後10年で8億人超へ倍増する見通しにも触れました。その上で、中国と米国の企業が「公平で非差別的な条件」の下で協力を深めることを呼びかけています。
米中関係は政治・安全保障からサプライチェーンまで論点が多岐にわたりますが、今回の発言は、数字と制度を前面に出しながら“ビジネスの接点”を広げたい意図がにじむ内容でした。2026年の計画期入りと重なるタイミングだけに、企業の現場では、制度運用の具体像と対話の積み上げが一段と注目されそうです。
Reference(s):
China's envoy to U.S. says commitment to opening-up will not change
cgtn.com








