米国、ベネズエラ原油を初売却 タンカー拿捕で高まる攻防 video poster
米国がベネズエラの原油に強く踏み込む動きが、2026年に入って一段と目立っています。米国はベネズエラ産原油の初回販売(5億ドル相当)を完了し、今後も追加の取引が見込まれる一方、関連するタンカーの拿捕も伝えられました。産油国としての米国が、なぜなおベネズエラ原油を求めるのか——市場と政治の両面から注目が集まっています。
何が起きたのか:初回の「ベネズエラ原油セール」
ロイターによると、トランプ政権はベネズエラの膨大な原油埋蔵量の活用を進めており、その「最初の成果」として、米国がベネズエラ産原油の初回販売を完了しました。取引規模は5億ドル相当とされています。
政権当局者はロイターに対し、追加の原油販売が「今後数日から数週間で」見込まれるとも述べたとされ、単発ではなく継続的な動きになる可能性が示唆されています。
タンカー拿捕と「輸出の偏り」:海上で進む締め付け
同じタイミングで、米軍が(現地時間の)木曜日に、ベネズエラに関連するとされる6隻目のタンカーを拿捕したことも伝えられました。これは、ベネズエラの石油輸出に対する米国の封鎖を、さらに強めるシグナルと受け止められています。
また、船舶データ分析のKplerは、ベネズエラの港で原油を積み込んでいるのは、米国向けのタンカーか、ベネズエラの製油所へ運ぶ船に限られていると明らかにしたとされています。輸出の行き先が実質的に絞られ、物流そのものが政策の影響を強く受けている構図が浮かびます。
産油国の米国が、なぜベネズエラ原油を狙うのか
米国は世界最大級の産油国です。それでもなおベネズエラ原油に目を向ける背景には、いくつかの「合理性」が同時に走っている可能性があります(現時点で断定はできません)。
- 供給源の多様化:自国で生産できても、調達先を複線化することで市場の揺れに備える発想は残ります。
- 原油の性質と精製の相性:原油は性状が一様ではなく、精製側の設備や需要構造によって「欲しい原油」の種類が変わり得ます。
- 交渉カードとしての原油:売買と封鎖(あるいは例外扱い)の組み合わせは、相手国の行動や資金繰りに影響し得るため、政策手段としての意味を持ちます。
- 価格とタイミング:原油市場は需給と心理で動きやすく、調達先の選択がコストや安定性に直結する局面があります。
これからの焦点:追加販売のペースと、海上リスク
今後の注目点は、追加の原油販売がどの程度の規模とペースで進むのか、そしてタンカー拿捕が続くのかどうかです。Kplerが示したような「積み地での行き先の偏り」が固定化すれば、原油の流れは経済だけでなく、国際政治の緊張や海上リスクにも左右されやすくなります。
原油は単なる商品でありながら、しばしば外交そのものの言語になります。今回の動きは、エネルギー市場のニュースであると同時に、政策が物流をどう形作るのかを映す出来事でもあります。
Reference(s):
cgtn.com








