中国本土の2025年GDPは5%成長:不動産減速とデジタル投資が同時進行
2026年1月19日(月)、中国本土は2025年通年の経済統計を公表し、実質GDP(国内総生産)が前年比5%増となりました。見出しの数字は安定して見えますが、内訳を見ると「縮む分野」と「伸びる分野」が同じ年に強く並走した構造変化が浮かび上がります。
まずは結論:5%成長の中身は「再配分」
2025年の特徴は、経済全体が5%伸びる一方で、不動産を中心に大きく落ち込む領域があり、同時に情報サービスや先端製造などが加速した点です。合計値の安定は、内部での資源配分の組み替えとセットで起きていた、という見方ができます。
縮んだ側:固定資産投資はマイナス、不動産は二桁減
投資面では、固定資産投資が2025年に前年比3.8%減となりました。特に不動産開発投資は17.2%減と落ち込みが大きく、減速が集中していたことが示されます。
- 固定資産投資:前年比3.8%減
- うち不動産開発投資:前年比17.2%減
- 不動産開発を除く固定資産投資:前年比0.5%減
- 新築商業住宅の販売:前年比12.6%減
不動産が長らく投資の大きな比重を占めてきたことを踏まえると、二桁の縮小は小さな調整にとどまらず、市場活動にも影響が及んだ形です。
伸びた側:情報サービス投資が急伸、航空宇宙関連も増加
一方で、同じ2025年に伸びが目立ったのが情報サービスや先端製造です。固定資産投資では、情報サービス部門が前年比28.4%増と主要分類で最も高い伸びとなりました。航空宇宙機器・設備の製造への投資も16.9%増でした。
- 情報サービス部門の固定資産投資:前年比28.4%増
- 航空宇宙機器・設備製造への投資:前年比16.9%増
生産面でも方向性は一致しています。デジタル製品製造の付加価値は前年比9.3%増と、全体の成長率を上回りました。産業用ロボットなどの製品群が含まれるカテゴリーで、供給側の組み替えが進んだことをうかがわせます。
新エネルギー車が「過半」へ:消費と産業の構成変化
新エネルギーはこの変化の重要な要素として位置づけられます。2025年には、新エネルギー車が国内の新車販売の半分超を占めたとされ、消費需要の構成と産業の出力の両方で、節目となる変化が確認されました。
研究開発(R&D)比率は2.8%に上昇:投資の「質」を映す数字
イノベーション面では、研究開発(R&D)支出の対GDP比(R&D強度)が2025年に2.8%へ上昇し、2024年から0.11ポイント増えました。平均的なOECD経済の水準を初めて上回ったとされ、技術・産業基盤への投入が強まったことを示す指標の一つです。
- R&D強度:2.8%(2024年比+0.11ポイント)
- 平均的なOECD経済の水準を初めて上回る
「同時に起きた二つの現実」が、2025年の5%を形づくる
2025年の中国本土経済は、外から見ると「また5%成長」と映りやすい一方で、内側では不動産関連の二桁減と、情報サービス・先端製造・デジタル・新エネルギーの伸長が重なっていました。二桁の増加と二桁の減少が同じ年に共存した点こそが、5%という数字の読みどころになりそうです。
今後の注目点は、縮小が続く分野の調整がどの程度の速度で進むのか、そして伸びる分野への投資や生産拡大が、雇用や需要の実感へどうつながっていくのか——合計値だけでは見えにくい「移動の質」が問われていきます。
Reference(s):
cgtn.com







