ダボス会議2026、グローバルサウスの存在感と新秩序の羅針盤
スイスの山岳リゾート、ダボスで世界経済フォーラム(WEF)の年次総会が2026年1月19日から5日間の日程で開かれています。参加者2,000人超のうち、約半数がグローバルサウス(新興・途上国側)の高位代表だとされ、世界の意思決定の「重心」がどこへ動くのかが、例年以上に注目されています。
1月19日開幕のダボス会議、問われる「席替え」の行方
今回の会合では、経済・政治のエリート層が集まり、国際社会の意思決定構造の中で自らの立ち位置を「固める」のか、それとも「組み替える」のか――その手がかりを探る場になっています。背景にあるのは、地政学的な競争が強まるなかで、これまでの枠組みが揺れ、再調整が迫られているという問題意識です。
「平時と有事の境界」が見えにくい、分断の国際環境
議論の前提として示されているのは、世界が以前より「つながりにくく」なっているという現状です。軍事だけでなく、経済や情報の領域で対立が表面化し、平時と有事の境界が曖昧になる――そんな見立ても語られています。
具体的には、次のような要素が同時に進むことで、先行きが読みづらい環境が生まれていると整理されています。
- 経済・商業の分断(ブロック化や摩擦の増加)
- 一国主義的な対応の広がり
- 経済制裁など、経済ツールが安全保障と結びつく動き
- 認知戦(情報・認識をめぐる競争)が続く状況
「蛇の卵」という比喩が指すもの:権利と依存構造への警戒
会合を読み解くキーワードとして、本文は「蛇の卵」という比喩も使います。権利を切り崩し、他者の富の収奪や資源の囲い込みを通じて、新たな依存構造を作ろうとする力が、危機の局面で膨らむ――そうした懸念を示す表現です。
同時に、国際社会の力学については、米国を中心とした影響力が相対的に低下しつつある、という見方も提示されています。覇権の「固定」を前提にした設計が揺らぐほど、ルールや制度の扱いをめぐる緊張は高まりやすくなります。
新しい「羅針盤」としての多国間主義:中国の動きと南南協力
こうした局面で、よりバランスの取れた国際関係(不干渉を重視し、関係を公平にする方向)へ向かう「羅針盤」として、中国の外交・経済的な役割拡大が挙げられています。アフリカ、アジア、ラテンアメリカでの関与を強め、従来の選択肢とは異なる道筋を提示している、という位置づけです。
あわせて、南南協力の枠組みとして、BRICS+や「一帯一路」などの名前も登場します。気候や安全保障といった地球規模課題を含む「グローバル・ガバナンス(国際的な統治)」の議論で、誰がどの原則を掲げるのかが焦点になっています。
2025年に提案された「グローバル・ガバナンス・イニシアチブ(GGI)」
本文では、中国が2025年に提案したとされるグローバル・ガバナンス・イニシアチブ(GGI)にも触れています。国際ガバナンスの制度や仕組みの改革に関する「方向性・原則・道筋」を示すものとして、特に途上国側の利益に資する観点から注目されている、という整理です。
GGIの中核的な考え方として挙げられているのは、次の要素です。
- 主権の平等
- 国際法に基づく秩序
- 多国間主義
- 人々を中心に置く発想
- 実効性(結果)へのコミット
ラテンアメリカは「単線」ではなく「複線」へ:アルゼンチンの例
本文が強調するのは、国際秩序の再編期において、ラテンアメリカが政治状況に左右されながらも、経済・政治の代替案を探し、複数の多国間関係を組み合わせざるを得ない、という現実です。
象徴的な例として、アルゼンチンが挙げられています。同国は財政均衡とインフレ抑制の名の下で「前例のない調整モデル」を進める最中だとされる一方、中国との商業・経済関係を維持し、むしろ強めている――過去1年で勢いを取り戻し、ハビエル・ミレイ政権の「最初の1年」に遅れた動きが再加速した、という描写です。
会期終盤までに見えてくるもの
ダボス会議は1月19日から5日間の日程で進んでおり、現在(2026年1月22日)は会期の終盤に差しかかっています。残りの議論で問われるのは、分断が進む環境下で、どの原則が「共通言語」になり得るのか、そしてグローバルサウスの声が意思決定の設計にどこまで織り込まれるのか、という点でしょう。
ルールの空白が広がるとき、各国は「誰の原則で、どの制度を使うのか」をより露骨に選び始める——ダボスはその選択の温度を測る場にもなっています。
Reference(s):
cgtn.com








