中国本土、EU「高リスク供給者」規則に懸念 対日輸出管理も説明
2026年1月22日(木)、中国本土は、EU(欧州連合)が導入を進める「いわゆる高リスク供給者」を対象とする新たな調達・供給関連ルールに強い懸念を示しました。あわせて、日本向けのデュアルユース(軍民両用)品目の輸出管理をめぐり自国の立場を説明し、カナダとの貿易協議では進展があるとの認識も示しています。
何が起きたのか:EU・日本・カナダにまたがる3つの論点
今回の発信は、大きく3点に整理できます。
- EU向け:「高リスク供給者」を想定した新ルールへの強い懸念
- 日本向け:デュアルユース品目の輸出管理について「正当性」を説明
- カナダ向け:貿易協議で「前向きな進捗」を示唆
EUの「高リスク供給者」ルールが示すもの
EUが議論・整備を進める「高リスク供給者」規則は、特定の供給者がサプライチェーンや安全保障、重要分野の調達に与えうるリスクを理由に、取引・調達の条件を厳格化する発想と重なります。運用次第では、企業にとって調達先の見直しや追加コスト、手続き負担の増加につながりやすいテーマです。
中国本土が「強い懸念」を示したのは、ルールの適用範囲や判断基準が曖昧な場合、特定の国・企業を事実上の排除に近い形で扱いかねない、という見方が背景にあるとみられます。
中国本土の受け止め:「懸念」と「ルールの透明性」
中国本土は、今回のEUルールに対して強い懸念を表明しました。対立を煽る言い回しよりも、国際取引における予見可能性(先が読めること)や、基準の透明性・非差別性がどこまで担保されるのかが焦点になりそうです。
企業側から見ると、「規制の目的」そのものよりも、実務上は次の点が重要になります。
- 何をもって「高リスク」と判断するのか(基準の明確さ)
- 対象分野や取引類型がどこまで広がるのか(適用範囲)
- 異議申し立てや是正の余地があるのか(手続き)
対日輸出管理:デュアルユース(軍民両用)をどう扱うか
同じ発信の中で、中国本土は日本向けのデュアルユース品目に関する輸出管理について、自国の立場を説明しました。デュアルユース品目は民生用途にも軍事用途にも転用されうるため、多くの国・地域が輸出の条件や審査を設けています。
今回のポイントは、単に「管理を強める/緩める」という二択ではなく、どの品目を、どの基準で、どの程度の手続きで運用するのかという実務の設計です。日中間の取引が広い裾野を持つだけに、企業は規制の安定性と説明可能性を強く求める傾向があります。
カナダとの貿易協議:「進展」を示唆
さらに中国本土は、カナダとの貿易協議で進展があるとの認識を示しました。具体的な合意内容や次の手続きが明らかになったわけではありませんが、緊張が高まりやすい通商分野で「対話が続いている」というシグナルは、市場や関係企業にとって一定の安心材料になりえます。
いま注目されるのは「分断」より「運用」の細部
EUの供給者規則、日本向けのデュアルユース輸出管理、カナダとの貿易協議——テーマは別々に見えて、共通するのは「ルールが経済をどう形づくるか」です。政治的メッセージが先行しがちな局面ほど、企業や生活者の影響は運用の細部(対象範囲、審査手順、例外規定、説明責任)に現れます。
今後は、EU側のルールの具体化、中国本土と日本の実務協議の行方、カナダとの次の協議ステップが、それぞれどのタイミングで示されるかが焦点になりそうです。
Reference(s):
China flags EU supplier rules, defends Japan export controls
cgtn.com








