スーダン中央銀行、バンク・オブ・ハルツームに「手数料」返金命令 48時間で是正へ
スーダンの金融当局が、大手銀行による口座からの「預金保険基金」名目の引き落としにストップをかけました。スーダン中央銀行は、バンク・オブ・ハルツームに対し、争点となっている手数料を48時間以内に返金するよう命じたと、現地メディアが伝えています。
何が起きたのか:1月29日以降の引き落としが火種に
報道によると、問題の引き落としは2026年1月29日以降に始まり、口座残高に応じて算定された「預金保険基金(Deposit Insurance Fund)」の費用が、顧客口座から差し引かれていました。
生活や事業の先行きが読みにくい経済状況のなかで、顧客側からは「不当に資金を差し引かれた」との反発が広がり、世論の批判が強まっていたとされています。
中央銀行の判断:貯蓄口座への適用が不適切
スーダン中央銀行は今週の指令で、これらの控除が不適切に適用されたと説明しました。特に、貯蓄口座に当たる「Saving」「Saving Plus」については、規定上の扱いが明確に異なるとしています。
- 銀行は、引き落とした金額を直ちに原状回復すること
- 「Saving」「Saving Plus」の保険料(保険プレミアム)は、顧客ではなく銀行が負担すること
- これらの口座を投資口座として扱ってはならないこと
「透明性の強化」も要求:口座の条件を事前に明示へ
今回の指令は返金だけでは終わりません。中央銀行は、口座ごとの説明責任を強く求め、銀行に対して次の対応を命じたとされています。
- 各口座タイプのメリット・権利関係の全面開示
- 貯蓄口座・投資口座への利益配分(プロフィット)の内容の説明
- 投資口座から差し引く保険料の算定根拠と金額の明示
- 口座開設前にすべての条件を分かりやすく説明し、顧客が強制なく受諾・拒否できるようにする
さらに、契約書や口座開設フォームについても、矛盾や不公平な条項が残らないよう、包括的な見直しを行うよう求めたとされています。
争点は「貯蓄」と「投資」の法的な違い
中央銀行は、銀行が貯蓄口座に利益を付与する一方で、付与額を上回る控除を行っていた点にも言及したと報じられています。銀行側は規制当局に対し「投資口座に適用した」と説明したものの、中央銀行は貯蓄口座と投資口座は法的に別物だと強調しています。
また、スーダンの銀行規則では、貯蓄口座のタカフル保険料は銀行が負担する必要があるとされています。
タカフルは、イスラム法に適合した保険の仕組みで、営利目的よりも相互扶助(助け合い)と共同のリスク分担を重視する制度だと説明されています。
預金保険基金の仕組み:0.2%拠出が基本
預金保険基金は、銀行が破綻した場合に預金者資金を一定程度保護する仕組みで、報道では1996年の法律に基づくとされています。拠出の枠組みは次の通りです。
- 銀行は、当座・貯蓄預金の年間平均残高に対し0.2%を拠出
- 銀行は、投資口座の年間平均残高に対し0.2%を拠出
- 投資口座の保有者は、預金額に対して追加で0.2%を拠出
政府と中央銀行が、当座・貯蓄・投資の各口座に関する必要拠出の合計のうち10%を分担すること、また算定は中央銀行への法定準備預金を控除した後に行うことも示されているといいます。
なぜ今このニュースが重要なのか
今回の命令は、単発の「手数料トラブル」以上の意味を持ちます。経済の不安定さと信頼低下が重なる局面で、金融当局が銀行の説明責任とルール順守を強く求めた形です。
顧客にとっては、口座の種類によって「誰が何を負担するのか」が見えにくいと、生活防衛の判断そのものが難しくなります。逆に言えば、ルールと説明が整えば、預金保険という仕組みが持つ「不測の事態への備え」が、より現実的な安心につながる可能性もあります。
Reference(s):
Sudan's central bank orders Bank of Khartoum to refund disputed fees
cgtn.com








