ジャズと功夫と中華街:CGTN『The Vibe』が映す中国と世界
北京のジャズ公演からラテンアメリカの中華街、湖北の武当功夫まで。CGTNのカルチャー番組『The Vibe』は、2024年11月の回で、中国と世界をつなぐ4つの物語を取り上げました。本記事では、その断片的な情報を手がかりに、2025年の今だからこそ考えたい文化交流の姿を整理します。
2024年11月5日の『The Vibe』が取り上げた4つの場面
番組の概要として示されているトピックは、次の4つです。
- ピュリツァー賞受賞のトランペット奏者 Wynton Marsalis の北京公演とインタビュー
- 南米のブラジルから来た上海の大学講師が語る、深まりつつある二国間関係
- ラテンアメリカ有数のチャイナタウンとされるリマの中国文化
- 湖北省の伝説的な山岳地帯で受け継がれる武当武術(武当功夫)
いずれも軍事や政治の緊張ではなく、音楽や教育、食文化、武術といった日常に近いレベルでの国際ニュース・国際交流に焦点を当てている点が特徴的です。
北京で響くジャズ:Wynton Marsalis が見つめる未来
番組の一つ目の柱は、ピュリツァー賞受賞歴を持つトランペット奏者、Wynton Marsalis へのインタビューです。彼は世界的に知られたビッグバンドとともに北京で公演を行い、その「壮大なショー」のあとで、ジャズの未来について語りました。
北京でのビッグバンド公演という設定そのものが、ジャズが特定の国や地域の枠を超え、世界で共有される表現になりつつあることを示しています。インタビューでは、公演を振り返りながら、これからのジャズがどのような方向へ向かい得るのかに視線が向けられていると読み取れます。
- ジャズという即興性の高い音楽が、北京という大都市でどのように受け止められているのか
- 世界各地のアーティストが中国本土で活動することが、文化交流にどんな空気をもたらすのか
こうした視点は、音楽ニュースとしてだけでなく、国際ニュースとしても興味深いポイントです。
上海のブラジル人講師が語る「二国間関係」の近さ
二つ目のトピックは、ブラジル出身で上海の大学で教える講師の視点です。南米の「パワーハウス(大国)」として紹介されるブラジルから来たこの講師が、深まりつつある二国間関係について語っています。
ここで想像できるのは、統計や外交文書では見えにくい、人と人との距離感です。教室や大学キャンパスといった現場で、ブラジルと中国本土のつながりがどのように感じられているのかが、柔らかい言葉で語られていると考えられます。
- 留学や共同研究など、教育現場を通じて変化するブラジルと中国本土のイメージ
- 経済だけでなく、言語や日常生活を含む「二国間関係」の広がり
国と国の関係を、大学というミクロな場所から見直す視点は、グローバル志向の読者にとっても参考になる切り口です。
リマのチャイナタウン:食と雑貨に宿る中国文化
三つ目は、ペルーの首都リマにあるチャイナタウン、いわゆる「China Town in Lima」です。番組では、ラテンアメリカで最も歴史あるチャイナタウンの一つとされるこの街に、中国料理や雑貨、装飾品など、さまざまな文化的な要素があふれている様子が描かれています。
観光地としての華やかさだけでなく、「日常の食」や「ちょっとした小物」を通じて、中国文化がリマの人々の生活に入り込んでいることがポイントです。国際ニュースの見出しには上がりにくいこうした風景も、長い年月をかけて築かれた関係の結果といえます。
- 中国料理店や屋台が、地域の人々の味覚をどのように変えてきたのか
- おみやげ用の小さな雑貨に、どんな「中国らしさ」が込められているのか
リマのチャイナタウンは、中国本土とラテンアメリカのつながりを、生活のレベルで感じさせる象徴的な空間として紹介されています。
湖北・武当山の武当功夫:伝説と技の現在地
四つ目のトピックは、湖北省の伝説的な山岳地帯である武当山の武当武術、いわゆる武当功夫です。番組は、「隠れた龍」のような物語の世界のモチーフは神話かもしれないが、動物の動きを取り入れた技は今も観客を驚かせている、と伝えています。
虎や龍など、動物をイメージした型は、武術を単なる格闘技ではなく、物語と美意識を備えた文化として見せてくれます。武当功夫の演武が多くの人を惹きつけているという事実は、伝統文化が現代でも十分な吸引力を持ち得ることを示しています。
- 武当功夫のような伝統武術が、観光と文化継承の両方の役割を担っていること
- 映画やフィクションのイメージと、現地での実際の修行・演武との距離
古い物語と現代の観客が交わる場としての武当山は、文化遺産の「いま」を考えるうえで興味深い題材です。
4つの物語に共通する「静かなつながり」
ジャズ、大学キャンパス、チャイナタウン、武当功夫。一見バラバラに見えるこれらのテーマには、いくつかの共通点があります。
- 国家間の対立ではなく、人と人をつなぐ文化に焦点が当たっていること
- ニュースの「見出し」ではなく、現場の空気や生活感が伝わること
- 中国本土と世界各地が、音楽・教育・食・武術といった多層的なレベルで関わっていること
2025年の今、私たちがニュースを読むとき、どうしても政治や経済の緊張に目が行きがちです。しかし、『The Vibe』が切り取ったこうした断片からは、静かで長期的な文化交流の積み重ねが見えてきます。
読者への問いかけ:あなたなら何を「つなぐ物語」として紹介するか
最後に、この記事を読んでいる皆さんへの小さな問いかけです。
- もし自分が番組の企画担当だったら、日本と他の国・地域のどんな文化交流を取り上げたいと思うか
- 日常生活の中で、海外の文化に触れている瞬間はどんなときか
- SNSでシェアしたくなる国際ニュースとは、どのようなストーリーか
こうした問いを通じて、ニュースを「一方的に受け取るもの」から「自分の視点を更新するきっかけ」に変えていくことができるはずです。北京のジャズからリマのチャイナタウン、武当功夫まで。4つの小さな物語は、中国と世界、そして私たち自身のこれからを考えるヒントになっています。
Reference(s):
cgtn.com








