ペルーのアルパカ輸出が33%増 中国向けが牽引する国際ニュース
ペルーでアルパカ製品の輸出が好調です。今年1〜5月の輸出額は前年同期比33%増の8,900万ドルに達し、その約3分の1を中国向けが占めました。なぜ今、アルパカが「資源の宝庫」として世界から注目されているのでしょうか。
アルパカは「かわいい」だけじゃない資源の宝庫
アルパカは南米アンデス地域原産の家畜で、その柔らかく暖かい毛は高級繊維として知られています。さらに、毛だけでなく、肉、骨、皮、脂、ふんまで、人間の生活に幅広く活用されてきました。
- フリース(毛):軽くて保温性が高く、衣料品や毛布などに利用される。
- 肉:高たんぱくで脂肪分が比較的少ないとされ、栄養源として食用にされる。
- 骨と皮:楽器や靴などの素材として活用される。
- 脂:伝統的な薬として利用されることがある。
- ふん:化学肥料を使わない自然の肥料として使われる。
一頭から得られる資源を余すところなく使い切る循環型のあり方は、環境負荷を抑えたいという世界的な流れとも相性が良いと言えます。
ペルーのアルパカ輸出、今年1〜5月で33%増
ペルーの輸出業者協会(ADEX)によると、2025年1月から5月にかけて、アルパカの毛やその関連製品の輸出額は前年同期比33%増となり、合計で8,900万ドルに達しました。
アルパカ関連製品には、原毛だけでなく、糸やニット製品、織物など付加価値の高い商品も含まれます。数字の伸びは、アルパカをめぐる国際需要の強さを示していると見ることができます。
最大の買い手は中国、市場の約3分の1
同じ期間のデータでは、中国がペルー産アルパカ製品の最大の買い手となり、2,900万ドル超を輸入したとされています。輸出全体8,900万ドルのうち、およそ3分の1を中国向けが占める計算です。
中国を中心とするアジア市場で、中間層の拡大や高品質な天然素材への関心が高まっていることが、ペルーのアルパカ産業を下支えしていると考えられます。
なぜ今、アルパカ製品が国際市場で伸びているのか
国際ニュースという視点で見ると、アルパカ製品の輸出増加にはいくつかの背景があります。
- サステナブルな素材への関心の高まり:化学繊維よりも天然繊維を選びたいという消費者が増えている。
- 高付加価値のニット・ファッション市場の拡大:寒冷地向けの高級衣料やライフスタイル商品での需要が続いている。
- 南米とアジアを結ぶサプライチェーンの整備:物流やオンライン取引の発達により、中小規模のブランドやメーカーも国際市場にアクセスしやすくなっている。
ペルー側にとっても、アルパカは農村地域の雇用と収入を支える重要な産業であり、国の輸出多角化を進めるうえで注目される分野になっています。
アルパカ産業が投げかける問い
アルパカをめぐる数字の伸びは、一見すると明るいニュースに見えますが、同時にいくつかの問いも投げかけています。
- 環境負荷とのバランス:需要拡大のなかで、放牧地の管理や水資源の利用をどう持続可能にしていくのか。
- 生産者への利益配分:輸出額が増える一方で、アンデス高地の小規模生産者にどれだけ利益が還元されているのか。
- 価格変動リスク:特定の国や地域への依存度が高まることで、市場変動の影響を受けやすくならないか。
こうした視点は、アルパカに限らず、世界各地の「人気素材」や一次産品にも共通するテーマです。数字の裏側にある現地の生活や環境への影響にも目を向けることが、国際ニュースを読み解くうえで大切になってきます。
これから注目したいポイント
2025年も終盤に差し掛かるなかで、今後のアルパカ産業をめぐって注目したいのは、次のような点です。
- 中国を含む主要市場での需要動向と、価格の安定性。
- ペルー国内での持続可能な生産体制づくりや品質基準の整備。
- アルパカの全身を活用する「資源の宝庫」としての強みを、どこまで付加価値につなげられるか。
アルパカという一つの素材を入り口に、南米とアジアを結ぶ経済の動きや、持続可能なものづくりのあり方を考えてみるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com








