中国国家博物館で古代ギリシャ美術展 「美」をめぐる普遍の問い video poster
古代ギリシャ人が追い求めた「美」のかたちを、中国の首都・北京で紹介する特別展「古代芸術における美の無数の側面」が、中国国家博物館で2025年に開催されました。日常の道具から大理石像までを通じて、人類共通の美意識と、その背景にある思想をたどります。
展覧会の概要:古代ギリシャの「美」を北京で
この展覧会は、北京の中国国家博物館とギリシャの Hellenic National Archaeological Museum が協力して実現したものです。古代ギリシャにおける「美」の観念を、考古学的な出土品と美術作品を通じて紹介し、来場者に自分自身の美の価値観を見つめ直してもらうことをめざしました。会期は2025年6月までとされていました。
古代ギリシャ人にとっての美とは何か
古代ギリシャでは、美は単なる見た目の問題ではなく、日常生活、哲学、芸術を貫く中心的なテーマでした。感覚的な喜びに根ざしながらも、美はより深い文化的・社会的・政治的な価値を映し出すものとして捉えられていました。
- 日々の暮らしの中でのふるまいや身だしなみ
- 哲学や学問の場で交わされた、美についての思索
- 芸術表現を通じて共有された社会や政治の価値観
展覧会は、こうした多層的な美のとらえ方を、具体的なモノを通じて可視化しようとしています。
展示された品々:日用品から大理石像まで
中国とギリシャのキュレーターは、古代ギリシャの人々の想像力と創造性が伝わる日用品を中心に作品を選びました。普段の生活で使われていたさまざまな道具が展示され、機能性だけでなく造形の工夫によって、美しさが追求されていたことが伝わります。
「美しくあること」を支えた道具と装身具
会場には、美容のための道具一式や装身具も並びます。こうしたビューティーキットやアクセサリーは、古代ギリシャの人々がどのように身だしなみを整え、自分を魅力的に保とうとしていたのかを具体的に示しています。
理想の身体をかたどる大理石像
豊富に展示された大理石像は、古代ギリシャ人がどのような身体を理想的だと考えたのかを物語ります。どの像も、力強く若々しい体つきを表現しており、健康や活力が美しさと結びついていたことが感じられます。
美の追求は人類共通のテーマ
キュレーターたちは、これらの考古学的な出土品を通じて、「美を追い求めること」は文化の違いを超えた人類共通の営みであることを示そうとしています。
- どの時代、どの地域でも、人は「美しくありたい」と願ってきたこと
- その願いが、道具や装身具、彫刻といった具体的な形として残ること
- 美の理想像は異なっても、「美を求める行為」そのものは共通していること
古代ギリシャの作品を北京で見るという体験そのものが、異なる文化どうしが美を通じて出会い、対話する場にもなっています。
現代の私たちへの問いかけ:美の旅は終わらない
美の探求は、何世紀にもわたって人間の想像力をとらえ続けてきました。この展覧会に並ぶ一つ一つの作品は、物理的なかたちとしての美と、その背後にある理念としての美の両方に向き合おうとした古代の試みを映し出しています。
来場者は、古代ギリシャ人が残した美の遺産と向き合うことで、現代の自分たちの美意識を見つめ直すよう促されます。外見やイメージが絶えず更新される時代にあっても、「自分にとって何が美しいのか」という問いは簡単には答えが出ません。
- 自分にとっての「美しい」とは、どんな状態や生き方を指すのか
- 他者の期待や流行ではなく、自分の感覚をどう大切にするのか
- 社会の中で共有したい美の価値観とは何か
中国国家博物館で開催された「古代芸術における美の無数の側面」展は、2025年6月までの会期を終えました。しかし、古代ギリシャから現代の私たちへと受け継がれた「美」をめぐる問いは、今も静かに、そして確かに続いています。
Reference(s):
Exhibition exploring aesthetics of beauty in ancient Greece opens
cgtn.com








