K-POP CDとプラスチックごみ 韓国での国連交渉前に高まる問題意識
リード:韓国発のK-POPが世界的な人気を集める一方、そのCD販売をめぐって大量のプラスチックごみを生み出していると批判の声が上がっています。韓国でプラスチックごみ削減に向けた国連交渉が開かれるのに合わせ、環境団体が「推し活」と環境負荷の関係を問い直そうとしています。
K-POP CDは「聴く」より「集める」ため?
K-POPは今や韓国を代表する国際的なカルチャー輸出となりましたが、その陰で、国内市場では大量のCDが生産され、プラスチックごみの山を生んでいると指摘されています。批判の的になっているのは、ファンの多くがCDそのものをほとんど再生していないという点です。
ファンの関心は、CDに同封されるアイドルの写真に集中しています。メンバーごとの写真がトレーディングカードのように封入され、コレクションの対象になっているためです。
一方で、1枚のCDに入っているのは通常、グループの中の特定のメンバーの写真だけです。封を開けるまで誰の写真が入っているか分からない仕組みのため、ファンは「推し」のメンバーのカードを手に入れるまで、同じアルバムを何枚も購入することがあります。
こうした仕組みは、ファンにとっては収集の楽しみを生み出す一方で、聴かれないCD本体やパッケージが大量に余ることにつながり、結果的にプラスチックごみを増やしていると懸念されています。
環境団体Kpop4planet「非常にむだが多い」
K-POP関連の環境問題に取り組む市民グループ「Kpop4planet」の活動家、キム・ナヨンさんは、この販売手法について「K-POP事務所にとっては大きな収入源だが、環境の観点から見ると非常にむだが多い」と指摘しています。
CDを何枚も購入しても、音楽そのものは1枚で十分というケースが多く、増え続けるのはプラスチック製のディスクやパッケージ、包装材です。キムさんらは、音楽産業のこうしたビジネスモデルが、気候危機やごみ問題への社会的な取り組みに逆行していると問題提起しています。
国連のプラスチックごみ条約交渉と連動した動き
韓国では、プラスチックごみの削減を目的とした国連の条約づくりに向けて、来週、交渉が行われる予定です。プラスチックごみ問題に関心が集まるこのタイミングにあわせて、Kpop4planetはK-POP CDが生み出すごみ問題を前面に押し出す計画です。
グループは、気候危機への危機感を広く共有することを目的に、今週土曜日に予定されているデモにも参加する方針です。日常の「推し活」が地球環境にどんな負荷を与えているのかを考えてもらいたい、としています。
ファン文化と環境配慮は両立できるか
今回の動きは、エンターテインメントと環境問題が交差する象徴的な事例とも言えます。ファン文化を大切にしながら、プラスチックごみを減らすにはどのような工夫がありうるのでしょうか。
- 音楽の視聴は配信サービスに移行しつつ、グッズや写真カードの販売方法を見直す
- CDパッケージや付属物にリサイクル素材を活用する
- ファン同士の交換会やリユースを促し、不要になったCDやカードを廃棄しない仕組みを整える
こうした取り組みはまだ模索段階にありますが、K-POPのように世界中に影響力を持つカルチャーだからこそ、環境への配慮を先取りすることで他の業界にも波及効果を生む可能性があります。
「推し」の未来と地球の未来
韓国で行われる国連のプラスチックごみ条約交渉は、各国がどこまでプラスチックごみの削減に踏み込めるかが焦点になります。その議論の足元で、K-POP業界とファンが自らの消費行動を見直そうとしていることは、国際ニュースとしても注目に値します。
好きなアーティストを応援する気持ちと、地球環境を守りたいという思いは、本来どちらも大切なものです。CDという形にこだわらない「推し活」のあり方を模索できるかどうかは、K-POPだけでなく、世界のポップカルチャー全体に問いかけられているテーマと言えるでしょう。
Reference(s):
K-pop CD waste draws fire as South Korea hosts plastic waste talks
cgtn.com








