映画・音楽・アートで見る中国と世界 CGTN「The Vibe」が描くカルチャー交流
国際ニュースを日本語で追っていると、政治や経済に目が行きがちですが、文化の動きも世界の空気を映す大事なニュースです。2024年11月25日に放送されたCGTNの番組"The Vibe"は、映画、音楽、映画制作、現代アートを通じて、中国と世界のあいだに広がるカルチャー交流を多面的に切り取りました。いま(2025年)あらためて振り返ると、そこには国境を超えて文化が出会い、混ざり合うヒントが詰まっています。
ハイナン島国際映画祭:亜熱帯の島がシネマアイランドに
まず紹介されたのが、ハイナン島の三亜(サンヤ)で開かれたHainan Island International Film Festivalです。「シネマウィーク」として、亜熱帯の島全体が映画に染まるようすが伝えられました。
この映画祭は第6回目の開催となり、南のリゾート地が本格的な映画の拠点として定着しつつあることを印象づけます。"silver screen treats galore"(銀幕のごちそうが盛りだくさん)という表現どおり、多彩な作品や上映体験が用意されていることがうかがえます。
- 観光地として知られる島が、文化発信地としても存在感を高めている
- 映画祭が継続して開催されることで、クリエイター同士のネットワークが育っていく
- リゾートと映画文化を組み合わせる新しい地域ブランディングのかたちが見える
遊牧の魂を歌うUrna:内モンゴルの伝統と実験性
番組では、Inner Mongolian singerとして紹介された歌手Urnaへのインタビューも取り上げられました。Urnaは、草原の牧歌的な故郷と文化への思いを歌に込めながら、実験的なツイスト(ひねり)を加えることで、北京の観客を楽しませています。
遊牧文化の"soul of a nomad"(遊牧の魂)を大切にしつつ、新しい表現を試みる姿は、伝統と現代性のあいだで揺れる多くのアーティストの姿とも重なります。内モンゴルの音楽が首都のライブ会場で響く光景は、中国国内の多様な文化が都市に集まり、交差していることを象徴しているとも言えるでしょう。
コスタリカの映画監督が見た「中国とのつながり」
「Connecting Cultures」のコーナーでは、コスタリカの映画監督が、中国出身のexpat(移住者)を主人公にして、中国と自国の文化的なつながりを探る様子が紹介されました。舞台はカリブ海沿岸で、海辺のまちで暮らす中国人の視点から、遠く離れた土地どうしがどのように結びつきうるのかが描かれます。
このテーマから浮かび上がるのは、
- 中国から世界各地へ広がる人の移動が、現地社会に新しい物語をもたらしていること
- 「中国」と「ラテンアメリカ」という一見遠い組み合わせにも、日々の暮らしレベルで共通点や交差点が生まれていること
国際ニュースでは国家どうしの関係に注目が集まりがちですが、こうした個人の視点からのストーリーは、文化交流をより身近なものとして感じさせてくれます。
上海アートウィークで出会うスペイン絵画
「A brush with Spain」のセグメントでは、Shanghai Art Weekが、"Land of Cervantes"(セルバンテスの国)として紹介されるスペインの画家たちにスポットライトを当てていました。
上海のアートウィークでスペインの絵画が紹介される構図は、ヨーロッパの芸術伝統と現代中国の都市文化が交差する場面でもあります。観客は、異なる歴史や価値観を持つ作品と向き合うことで、自分自身の美意識や世界観を見直すきっかけを得られます。
- 中国の大都市が、国外アーティストにとって重要な発表の場になっている
- アートイベントを通じて、観光・ビジネス・教育など他分野への波及効果も期待できる
2025年の私たちがこの回から学べること
2024年のCGTN「The Vibe」が伝えたこれらのトピックは、2025年の今も色あせていません。ハイナン島国際映画祭、Urnaの音楽、コスタリカの映画制作、上海アートウィークのスペイン特集という一見バラバラな話題は、次のような共通点でつながっています。
- ローカルな土地やコミュニティの視点から、グローバルなつながりを描いていること
- 伝統文化を守るだけでなく、新しい表現や実験を恐れずに取り入れていること
- 都市や観光地が、映画・音楽・アートを通じた交流のハブとして機能していること
国際ニュースを追う日本語話者として、こうしたカルチャーの動きに目を向けることは、世界を見るレンズを一段階増やすことにつながります。SNSで共有したり、友人との会話のきっかけにしたりしながら、自分なりの「中国と世界の文化交流像」を更新していく余地は、まだまだ大きそうです。
Reference(s):
cgtn.com








