中国でスイスデザイン展 代表作200点超が集結、職人技の進化を紹介
スイスの代表的なデザイン作品200点以上が中国に集結し、スイスオリジナルデザインとして最も包括的な展覧会が開催されています。家具を中心に、イノベーション大国スイスのものづくりと職人技の進化を一度に体感できる内容です。
スイスデザインが中国へ 200点超の代表作が集結
世界知的所有権機関(WIPO)のグローバル・イノベーション・インデックスで、10年以上にわたり首位クラスの評価を受けてきたスイス。2025年の現在、そのデザイン力を示す象徴的な試みとして、オリジナルのスイスデザインを集めた大規模展覧会が中国で開かれています。
会場には、スイスを代表するアイコニックなデザイン作品が200点以上並びます。長く愛されてきた日用品や、時代の雰囲気を形にしたプロダクトなどを通じて、スイスがどのようにデザインとイノベーションを結びつけてきたのかが読み取れる構成になっています。
国境を越えてデザインを共有する今回の試みは、単なる「作品紹介」にとどまらず、ヨーロッパとアジアの間で、ライフスタイルや価値観を対話する場にもなっています。
注目は家具セクション 75点が語るスイス職人技の軌跡
この展覧会の中で大きなスペースを占めているのが、家具に焦点を当てた「Original Furniture」セクションです。ここには、スイスの家具デザインを代表する75点の作品が集められています。
素朴な素材感をいかした初期の椅子やテーブルから、世界的に評価されるモダンな家具まで、スイスのクラフトマンシップがどのように進化してきたのかを、実物を通じてたどることができます。
家具75点から見えてくるポイントとして、例えば次のような視点が挙げられます。
- 素材の変化:木を中心とした伝統的な家具から、金属や複合素材を組み合わせた現代的なデザインへ
- 機能とミニマリズム:「必要なものだけを残す」発想と、細部まで計算された使いやすさ
- 長く使うことを前提にした設計:修理しやすさや耐久性を重視した構造
こうした流れは、スイスが「見た目の新しさ」だけではなく、日常の使い心地や長寿命といった観点からものづくりを続けてきたことを物語っています。
イノベーション大国スイスのデザイン哲学
今回の展覧会は、スイスがなぜイノベーションの分野で高く評価されているかを、デザインの側面から理解する手がかりにもなります。世界知的所有権機関の指標で長年高い順位を維持してきた背景には、技術だけでなく、日常生活に落とし込むデザインの力があります。
スイスデザインの特徴として、次のような点がしばしば指摘されます。
- 機能美の追求:余分な装飾をそぎ落とし、「使うための形」を徹底して考える姿勢
- 精密さと信頼性:時計や精密機器に見られるような、細部へのこだわり
- 人間中心の発想:ユーザーの日常動作や暮らし方から逆算した設計
こうした哲学は、家具やプロダクトデザインにも一貫して流れています。今回のような展覧会では、個々の作品の背後にあるストーリーや思想をたどることで、「イノベーションとは何か」を生活のレベルで考え直す機会にもなります。
中国で開催される意味 アジアとヨーロッパをつなぐデザイン交流
このスイスデザイン展が中国で開催されていることにも、今の時代らしい意味があります。中国には、デジタルサービスやものづくりの現場で活躍する若い世代が多く、デザインに対する関心も高まっています。
そうした環境の中で、スイスのオリジナルデザインが紹介されることは、次のような波及効果を生みやすいと考えられます。
- ヨーロッパのデザイン哲学に触れることで、アジア発のプロダクト開発への新たなヒントとなる
- 職人技とテクノロジーをどう組み合わせるかについて、共通の関心事として議論が生まれる
- 生活者として、長く使えるものを選ぶ意識が広がるきっかけになる
国や地域を超えてデザインが共有されることで、「どのような暮らしをよしとするか」という価値観の対話も生まれていきます。今回の展覧会は、その一つの実験場ともいえます。
日本の読者にとってのヒント スイス家具から考える暮らし方
日本からこのニュースを見る私たちにとっても、スイスデザイン展は他人事ではありません。画像や報道を通じて作品に触れるだけでも、自分の暮らしを見直すヒントがいくつも隠れています。
例えば、次のような視点は、日本の生活とも相性が良さそうです。
- モノを減らすのではなく、「長く付き合いたいモノ」を厳選するという考え方
- 派手さよりも、日々の使いやすさや手触りを重視する視点
- 家具や日用品を、単なる消耗品ではなく「暮らしのパートナー」として選ぶ姿勢
スイスの家具75点が示す職人技の軌跡は、日本の家やオフィスの空間づくりを考えるうえでも、参考になる部分が多いはずです。
SNS上で展覧会の写真や感想が共有されれば、日本にいながらにして、スイスと中国を行き来するデザインの対話に参加することもできます。国際ニュースとしての側面だけでなく、自分の暮らし方やモノの選び方を静かに問い直すニュースとして、今後も注目していきたい動きです。
Reference(s):
Most complete exhibition of original Swiss designs underway in China
cgtn.com








