伝統医療からトレビの泉まで 世界をつなぐ「体験型」国際ニュース
中国のメディア CGTN のコンテンツシリーズ「The Vibe」では、伝統医療、世界遺産、食文化、観光インフラなど、さまざまな切り口から国際ニュースを紹介しています。本記事では、その中から4つのトピックを取り上げ、2025年の今につながる「世界との付き合い方」を考えてみます。
一帯一路と伝統中国医学 「ヘルスブリッジ」で広がる医療協力
「Traditional Chinese Medicine(伝統中国医学)」の特集では、中国と一帯一路イニシアチブに沿う国々が、医療分野で新たな連携を進めている様子が伝えられました。キーワードは「Traditional medicine trail(伝統医療の道)」と「health bridges(ヘルスブリッジ)」です。
番組の紹介によると、一帯一路に参加する複数の国で、伝統中国医学を軸にした協力が進み、中国と現地を結ぶ「健康の橋」が築かれつつあります。診療や教育、技術交流など、具体的な形は国によって異なりますが、共通しているのは「相手国と共に医療の選択肢を広げよう」という姿勢です。
西洋医学とは発想の異なる伝統医療が、国境を越える「ソフトパワー」として機能し始めているとも言えます。医療は各国の制度や文化に深く結びつく分野ですが、それでもなお協力の余地を見いだそうとする動きは、国際関係が不安定になりがちな時期だからこそ注目されます。
万里の長城の「第一関」 張家口・大境門に観光客が殺到
「First Gate of the Great Wall(万里の長城の第一の門)」というタイトルで紹介されたのは、河北省張家口市にある大境門です。番組では、絵のように美しい景観の中で、観光客が長城の特別な風景を味わうためにこの門へ押し寄せている様子が伝えられました。
大境門は、広大な長城エリアの一つの入り口として、歴史の「ゲートウェイ」としての役割も象徴的に語られています。門をくぐると、ただの観光ではなく、過去の時間に足を踏み入れたような感覚になる――そんな体験を求めて、多くの人が訪れているという描写です。
スマートフォン一つで世界中の情報にアクセスできる時代だからこそ、実際に現地に立ち、石や土の質感、風の冷たさを感じる「体験型の歴史観光」が人気を集めていることがうかがえます。写真映えするスポットとしてだけでなく、自分なりに歴史と向き合う場として選ぶ人も増えていきそうです。
北京で楽しむ「ロシアンバンケット」 食卓から始まる文化交流
「Russian Banquet(ロシアンバンケット)」のパートでは、北京で開かれているロシアの食文化を紹介する展示会が取り上げられました。展示は、ロシアの食卓や晩餐文化に焦点を当て、来場者の食欲と好奇心を刺激しているとされています。
料理は、その国の歴史や気候、価値観が凝縮された「文化の入り口」です。メニューやテーブルセッティング、食器のデザイン、食事のマナーなど、どこを見るかによってさまざまな物語が読み取れます。
政治や安全保障の話題になると距離を感じがちな国同士であっても、食のイベントを通じて「まずは味わってみる」関係性をつくることはできます。北京で行われているこの展示会も、ロシア文化を身近に感じるための実験場のような役割を果たしていると考えられます。
ローマ・トレビの泉に金属製通路 「水の上」を歩く新体験
「Trevi Fountain Walkway」のコーナーでは、イタリア・ローマの観光名所、トレビの泉に設けられた金属製の通路が紹介されました。この通路によって、観光客はまるで水の上を歩いているかのような感覚で、彫像により近づくことができるといいます。
世界的な人気スポットであるトレビの泉では、観光客の密集と文化財保護の両立が長年の課題でした。今回の通路は、そのバランスを取る一つの試みとして位置づけられています。観光客にとっては「近くで見られる満足感」が高まり、管理側にとっては人の流れをコントロールしやすくなるという効果が期待されます。
同時に、このような「見せ方のアップデート」は、歴史的な景観をどう現代化し、どう守るのかという問いも投げかけます。体験を充実させる工夫と、本来の姿を損なわない配慮。その二つをどう両立させるかは、多くの観光地に共通する課題です。
医療・歴史・食・観光 世界をつなぐのは「共に体験すること」
今回取り上げた4つの話題には、一見バラバラに見えながら共通する軸があります。それは、医療でも歴史でも食でも観光でも、「現地の人と世界の人が何かを共に体験する場」をつくろうとしている点です。
- 一帯一路と伝統中国医学の「ヘルスブリッジ」は、健康という切実なテーマを共有する場
- 大境門の観光は、歴史の記憶を共にたどる場
- ロシアンバンケットの展示は、食卓を通じて他国の暮らしを想像する場
- トレビの泉の通路は、世界的な観光資源をより近くで楽しむための場
2025年の世界は、地政学的な緊張や経済の不透明感など、課題も多く抱えています。その一方で、今回のようなニュースに見られるように、人が出会い、何かを一緒に体験しようとする動きも確実に広がっています。
ニュースを追うとき、「どの国が得をするか・損をするか」といった視点だけでなく、「どんな新しい体験の場が生まれているか」という視点を加えてみると、世界の見え方が少し変わってくるかもしれません。XやInstagramなどのSNSで共有する際も、写真や動画の裏側にある「どんな橋がかかっているのか」を一言そえてみると、周りとの会話が一段深まるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








