ラーバー節からGuzi経済まで 2025年の中国トレンド4選
春節シーズンの中国を日本語でキャッチアップしたい——そんな人に向けて、2025年の中国カルチャーと観光を象徴する4つのトピックをまとめました。国際ニュース番組「The Vibe」(CGTN)で今年1月に紹介された内容を手がかりに、中国社会のいまをコンパクトに読み解きます。
ラーバー節の特別な粥(おかゆ)から、仏山の700年続く木版年画、若い世代が支える「Guzi経済」、そして外国人向け240時間ビザ免除のトランジット政策まで。バラバラに見える話題の裏には、「伝統」と「新しい消費」、「内需」と「インバウンド」をつなぐ共通の流れが見えてきます。
成都のラーバー節:春節前の街をあたためる「特別なお粥」
番組では、春節前の前奏曲と位置づけられるラーバー節(臘八節)を、四川省の中心都市・成都から伝えています。ラーバー節は、春節を迎える前に人々が粥を分け合い、新しい一年の平安を祈る伝統行事として紹介されています。
とくに成都では、地元の食材をふんだんに使った「とても特別なラーバー粥」が登場します。穀物や豆類、ナッツ、ドライフルーツなど具だくさんの一杯には、「いろいろな恵みが混ざり合って豊かな一年になりますように」という願いが重ねられている、とされています。
日本の年越しそばやお雑煮と同じように、ラーバー節の粥は、家庭ごとのレシピや地域の味の違いが語られる存在でもあります。中国の都市生活や食文化を理解したい人にとって、派手な観光スポットだけでは見えない「日常の温度」が伝わってくるポイントと言えそうです。
仏山の木版年画:700年の技を10年かけて受け継ぐ
二つ目のトピックは、広東省仏山の木版年画です。番組によると、約700年の歴史を持つとされるこの木版画の伝統に、あるアーティストが10年という時間を捧げてきました。
「年画」は、新年に家の中に貼る縁起物の絵として知られ、福や長寿、子どもの成長など、さまざまな願いが込められます。デジタル画像があふれる時代に、手作業で版木を彫り、一枚一枚刷り上げるプロセスは、効率とはほど遠いかもしれません。それでも、10年をかけて技を磨き続ける姿は、「スロー」だからこそ価値があるものへの視線を思い出させます。
仏山の年画は、単なるノスタルジーではなく、現代のデザイン感覚や観光とも結びつきつつあります。伝統工芸をどう継承し、ビジネスや観光と両立させるのかという課題は、日本各地の伝統産業とも重なるテーマです。
「Guzi経済」と若い世代:キャラクターが動かす消費
三つ目のキーワードが「Guzi経済」です。番組では、アニメやバーチャルワールドのキャラクターが、小売市場を変え、新しい世代の消費を生み出している様子が紹介されています。
Guzi経済とは、推しキャラクターのグッズやコラボ商品、バーチャルアイドルとのオンラインイベントなど、「キャラクターを中心にお金が動く」現象を指す言葉として使われています。店舗のデザイン、期間限定のポップアップストア、AR(拡張現実)を使った体験型の販促など、リアルとデジタルをまたぐしかけが特徴です。
中国の若い消費者にとって、商品そのものの実用性だけでなく、「自分の好きな世界観やストーリーにどれだけ近いか」が購買の決め手になりつつあるとされています。この流れは、アジア全体で広がる「推し活経済」にもつながり、日本のコンテンツ産業や小売にとっても無視できないトレンドになりそうです。
240時間ビザ免除のトランジット:インバウンド回復の切り札に?
四つ目のトピックは、中国旅行に関心がある人に直接関わる話題です。番組では、外国人のトランジット(乗り継ぎ)客を対象に、最大240時間までビザなしで滞在できる新しいビザ政策が取り上げられています。この制度は、中国を経由する旅行者が、乗り継ぎの合間に都市観光を楽しみやすくすることで、インバウンド(訪問客)の拡大につながると期待されています。
240時間というのは、およそ10日間に相当します。長めの乗り継ぎ時間を利用して、1都市だけでなく複数の都市をまわることも現実的になります。例えば、「経由ついでに少しだけ街を歩いてみたい」というライトな観光客にとっても、心理的なハードルが下がりそうです。
国際ニュースとしてのビザ緩和は、単に観光客の数を増やすだけでなく、ビジネスや文化交流の回復にも直結します。日本からの旅行や出張の計画を立てる際にも、こうした最新の制度を押さえておくことが重要になっていきます。
4つの話題に通じる、中国社会の「いま」
ラーバー節の粥、仏山の木版年画、Guzi経済、240時間ビザ免除のトランジット政策。一見ばらばらな4つの話題には、いくつかの共通点が見えてきます。
- 古くからの行事や工芸を、いまのライフスタイルや観光と結びつける動き
- デジタル技術やキャラクター文化を活用した、新しい消費のかたち
- 海外から人を呼び込み、内外の交流を広げようとする試み
中国のニュースを日本語で追いかけるとき、「経済成長率」や「外交」といった大きなテーマに注目が集まりがちです。しかし、今回のようなカルチャーや観光、消費行動の変化に目を向けると、数字には表れにくい社会の空気や、人々の価値観の変化が見えてきます。
2026年の春節シーズンに向けてアジアの動きをウォッチするうえでも、こうした足元のトレンドは重要なヒントになります。ラーバー節の粥一杯の向こう側に、観光政策から若者の消費まで、さまざまな変化がつながっている——そんな視点で国際ニュースを眺めてみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com








