臘八節で酢フィーバー 山西省太原の老舗に長蛇の列 video poster
中国・山西省太原市の老舗酢店に、臘八節に合わせて多くの住民が列をつくり、量り売りの酢を買い求めています。容器を手に並ぶ人びとの姿からは、伝統行事と食文化が今も暮らしに根付いている様子が見えてきます。
臘八節とは?旧暦12月8日に迎える節目の日
臘八節は、旧暦12月8日にあたる中国の伝統的な節句です。旧暦の年の瀬に近づくこの日を境に、本格的に新年に向けた準備モードに入る家庭も多いとされます。
2025年の今も、この臘八節のタイミングに合わせて各地でさまざまな風景が生まれています。太原市の酢店にできた行列も、その一つといえます。
太原の老舗酢店にできた行列
太原市では、百年以上の歴史を持つ酢の老舗に、臘八節の到来とともに住民が次々と集まっています。店先には長い行列ができ、人びとは思い思いの大きさの容器を手に順番を待ちます。
- 客は自分の容器を持参し、量り売りで酢を購入
- 多くの人が少なくとも2.5キログラム以上をまとめ買い
- 店内には熟成した酢の濃厚な香りが立ちこめる
- 店の配管から、とろりとした酢が次々と容器に注がれていく
ボトル入りの製品がいくらでも手に入る時代に、あえて自前の容器を抱えて店に足を運ぶ人びと。その姿は、地域の味と店への信頼が長年かけて築かれてきたことを物語っています。
なぜ臘八節に酢を買い求めるのか
今回の光景は、臘八節という年中行事と、日常の料理に欠かせない酢との結びつきを象徴しているように見えます。冬の寒さが本格化するこの時期、家庭料理や保存食づくりに備えて、まとめて酢を買う人が多いと考えられます。
また、多くの人が少なくとも2.5キログラム以上を購入していることからも、こうした酢が日々の食卓で頻繁に使われていることがうかがえます。臘八節をきっかけに、台所の「必需品」を新しく補充する行為は、新しい一年を意識するささやかな儀式のようでもあります。
デジタル時代に残る、顔の見える買い物
オンラインショッピングや宅配サービスが日常化した今でも、太原の住民はわざわざ店に出向き、行列に並んで酢を買っています。この行動には、量り売りという「体験」そのものの価値も含まれているといえそうです。
- 自ら容器を持ち込むことで、量や用途を自由に調整できる
- 使い回しの容器は、環境負荷の軽減にもつながる
- 店主や周囲の客との何気ない会話が、地域のつながりを生む
スマートフォン一つで何でも買える時代だからこそ、行列に並び、目の前で酢が配管から流れ出るのを眺める体験には、特別な意味が宿ります。臑八節の日の酢店は、商品を受け取る場所であると同時に、地域の人びとが集う社交の場にもなっているのかもしれません。
日本から考える「調味料と年中行事」
このニュースは、日本の年末年始の光景とも重なります。日本でも正月前には、餅や正月料理の材料を求めてスーパーや専門店に行列ができることがあります。中国・太原の人びとが臘八節に酢を求めて列に並ぶ姿は、そうした年の瀬の風景とどこか通じるものがあります。
日常的に使う調味料を、特別な節目の日にあらためて買い求める行為。その背後には、
- 新しい一年を良いものにしたいという気持ち
- 家族や友人と囲む食卓を大切にしたいという願い
- 地域に根付いた味や店を支え続けたいという思い
といった、国や地域を超えて共有しうる感情があるのではないでしょうか。
小さな行列から見える、中国の今
太原の老舗酢店にできた行列は、一見するとごくローカルなニュースです。しかしそこには、伝統行事と食文化、デジタル化が進む社会の中で失われていない対面のやりとり、そして家族の食卓を大切にする人びとの姿が凝縮されています。
国際ニュースというと、政治や経済の大きな動きをイメージしがちです。ただ、こうした日常のワンシーンに目を向けることで、隣国の社会や価値観をより立体的に捉える手がかりが得られます。臘八節の酢の香りは、中国の「今」を静かに伝えるニュースソースでもあるのかもしれません。
Reference(s):
Vinegar Fever: Laba Festival helps brew Shanxi's tangy tradition
cgtn.com








