宜興にUCCA Clay開館 隈研吾設計で陶磁の伝統と現代アートをつなぐ
中国本土の「陶磁器の都」として知られる江蘇省・宜興市に、陶芸の伝統と現代アートを結びつける新しい美術館「UCCA Clay」が2025年10月19日にオープンしました。隈研吾さん設計の建物と、開館記念展「The Ways of Clay」を通じて、約7000年にわたる陶磁の歴史を、いまの私たちの感覚で捉え直す試みが始まっています。
- 2025年10月19日、江蘇省宜興市に開館
- 建築設計は隈研吾さん
- 古代のドラゴン窯に着想を得たテラコッタの外観
- 開館記念展は「The Ways of Clay」
- UCCAにとって中国本土で4館目の美術館
宜興に誕生した「土」と「アート」の交差点
UCCA Clayが開館した宜興市は、中国本土でも有数の陶磁器の産地として知られています。UCCA Clayは、その約7000年におよぶ陶磁の伝統と、現在進行形の現代アートをつなぐことを掲げた美術館です。
開館からおよそ2か月が経った今も、江蘇省内外から訪れる人びとに、陶芸をめぐる新しい「見方」や「感じ方」を提示し続けています。
隈研吾が設計、ドラゴン窯を思わせるテラコッタ外装
UCCA Clayの建物を手がけたのは、日本でも広く知られる建築家・隈研吾さんです。外観を特徴づけているのは、古いドラゴン窯(登り窯)に着想を得たテラコッタのファサード。焼き物の温かみを感じさせる土色の外壁が、宜興の風景に溶け込みながらも、新しい文化拠点として強い存在感を放っています。
館全体が、宜興の約7000年にわたる陶磁の伝統と現代アートが出会う、大胆で新しい空間として構想されています。伝統と革新を架橋する建築そのものが、UCCA Clayのメッセージを体現していると言えそうです。
開館記念展「The Ways of Clay」が示す問い
UCCA Clayのこけら落としとなる展覧会が「The Ways of Clay」です。そのタイトルが示すように、さまざまな「土との向き合い方」や「土のあり方」をテーマにしていることがうかがえます。
陶磁器という身近な素材を、歴史や地域文化、そして現代アートの視点からあらためて見つめ直す場として、開館当初から注目を集めています。作品鑑賞を通じて、私たちが日常的に使っている器や道具の背後にある時間の積み重ねに思いを巡らせるきっかけにもなりそうです。
中国本土で4館目、ローカルと世界をつなぐハブへ
UCCA Clayは、このインスティテューションにとって中国本土で4館目の美術館です。宜興や江蘇省の人びとはもちろん、その外から訪れる来館者をも、ダイナミックに変化し続ける陶磁アートの世界へとつなぐ役割が期待されています。
陶磁の産地に現代アートの美術館が誕生したことで、地域に根づくものづくりの現場とアーティストや来館者とのあいだに、新しい対話が生まれる可能性もあります。伝統を守るだけでなく、どのように更新し、共有していくのか。その問いを、建築と展示の両面から投げかけていると言えるでしょう。
日本の読者にとっての見どころ
隈研吾さんが設計した中国本土の新しい美術館という点で、日本の読者にとってもUCCA Clayは気になる存在ではないでしょうか。陶磁器と建築、現代アートが交差する場として、地域文化の新しい見せ方を考えるヒントが詰まっています。
オンラインで世界のアート情報に簡単にアクセスできる今だからこそ、宜興のように地域の歴史と密接に結びついた美術館が何を発信しようとしているのかに目を向けることは、私たち自身の暮らしや文化を見つめ直すきっかけにもなります。SNSで気になった作品や建築の写真、キーワードを共有しながら、陶磁という古くて新しいメディアについて語り合ってみるのも良さそうです。
Reference(s):
cgtn.com








